トップ
>
荷拵
>
にごしら
ふりがな文庫
“
荷拵
(
にごしら
)” の例文
「なるほど、あれも奉公人の一人だ。——庭掃きから
荷拵
(
にごしら
)
え、使い走りなど、外廻りの仕事をしている、島吉というのがおります」
銭形平次捕物控:134 仏師の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それがいいよ。わたしもそう思ってね。
荷拵
(
にごしら
)
えをした時、嵩張物は持運びに不便だから半分ばかり売ってみたがなかなかお
銭
(
あし
)
にならないよ」
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
角谷は手が
器用
(
きよう
)
で、書籍の箱造り
荷拵
(
にごしら
)
えなどがうまかった。職人になればよかった、と自身もしばしばこぼして居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
車を
手舁
(
てかき
)
で床の正面へ据えて、すぐに
荷拵
(
にごしら
)
えをして、その宰領をしながら、東京へ帰ろう
手筈
(
てはず
)
だったそうですわ。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
本間さんはとうとう思い切って、雨が降るのに
荷拵
(
にごしら
)
えが出来ると、
俵屋
(
たわらや
)
の玄関から
俥
(
くるま
)
を駆って、制服制帽の甲斐甲斐しい姿を、七条の停車場へ運ばせる事にした。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
これを胴巻に入れたり、
襦袢
(
じゅばん
)
の襟に縫附けたり、
種々
(
いろ/\
)
に致して旅の用意を致します、其の内に
荷拵
(
にごしら
)
えが出来ると、これを作右衞門の蔵へ運んで預けると云う訳で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして森家の台所は
恰度
(
ちょうど
)
、息子を学童疎開に出して一人きりになっている康子に
委
(
ゆだ
)
ねる、——そういうことが決定すると、高子も晴れがましく家に戻って来て、移転の
荷拵
(
にごしら
)
えをした。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
荷拵
(
にごしら
)
えをさせては堅実無比であり、
駕籠
(
かご
)
の肩を担いでは、お関所の門限を融通するの頓智もある。雲助唄を歌わせれば、見かけによらず、行く雲を止めるの妙音を発する者さえある。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「なにをいってらッしゃるの。蝉なんか、二十日も前から
啼
(
な
)
いていますわ。いったい、
東京
(
とうけい
)
へ送り出す父の誕生祝いの品々は、
荷拵
(
にごしら
)
えばかりなすっておいて、どうなさるおつもり?」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
慌
(
あわ
)
てて
荷拵
(
にごしら
)
えをするやら、シュトルツ夫人の所へその
旨
(
むね
)
を知らせに行くやらした。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その二十分前の四時になっても、私たちはまだ
荷拵
(
にごしら
)
えが出来ずにいる。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
朝は川の端には氷が張って居るからその氷を叩き割って水を汲んで来てそうして残って居る火に暖めて居る中に自分の
荷拵
(
にごしら
)
えに掛る。まず自分の着物の着方のぞんざいになって居るのを直します。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
提
(
さ
)
げたるは如何にも金飛脚と見えけるゆゑ
後
(
あと
)
より見え
隱
(
かく
)
れに附け行て
見屆
(
みとゞけ
)
たるに瀬戸物町十七屋孫兵衞と云ふ
飛脚屋
(
ひきやくや
)
へ
這入
(
はひり
)
けるが今日が
立日
(
たちび
)
にて
店先
(
みせさき
)
に手代共
居双
(
ゐなら
)
び帳面など認めし
此方
(
こなた
)
には大勢の若い者
荷拵
(
にごしら
)
へを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
中々きかん気の
爺
(
おやじ
)
で、鉄砲の
筒口
(
すぐち
)
を押し握ってそっと破れ障子を開けると、
此方
(
こちら
)
はこそ/\
荷拵
(
にごしら
)
えを致して居る
処
(
ところ
)
へ這入って来ましたから、
覚
(
さと
)
られまいと荷を脇へ片付けながら
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やがて、京都の
山科
(
やましな
)
とかへ移るつもりで、
荷拵
(
にごしら
)
えまでしているが、先月頃から、左の腕に
疔
(
ちょう
)
を
病
(
や
)
んで大熱を発したらしく、まだ、赤穂の城下から少し離れた尾崎村の八助の家で療治しておる。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人とも
這々
(
ほう/\
)
の
体
(
てい
)
にて
荷拵
(
にごしら
)
えをなし、
暇乞
(
いとまご
)
いもそこ/\に越後屋方を逃出しましたが、宇都宮明神の
後道
(
うしろみち
)
にかゝりますと、昼さえ暗き八幡山、
況
(
まし
)
て真夜中の事でございますから
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
荷
常用漢字
小3
部首:⾋
10画
拵
漢検1級
部首:⼿
9画
“荷”で始まる語句
荷
荷物
荷車
荷担
荷足
荷梱
荷駄
荷厄介
荷馬車
荷船