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胆力
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たんりょく
ふりがな文庫
“
胆力
(
たんりょく
)” の例文
旧字:
膽力
しかしぐっと
胆力
(
たんりょく
)
をすえて、本堂の中へ入ってみた。そして中の様子を
隈
(
くま
)
なく
調
(
しら
)
べた。それから
廊下
(
ろうか
)
つづきの
庫裡
(
くり
)
の方へ入って行った。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
「実は千坪余りそっくりだと七円五十銭で手に入ったのだから、借金をしても買って置けば宜かったのに、当時はそれ丈けの
胆力
(
たんりょく
)
がなかった」
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
一同の
悲愴
(
ひそう
)
な決意を見るにつけ、ケートは心のなかで泣いた、少年らがいかに
胆力
(
たんりょく
)
があり、知恵があるとしても、悪漢どものすぐれた体格や
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
用人
(
ようにん
)
の
源伍兵衛
(
げんごべえ
)
老人である。さては、自分の気の迷いで、廊下には何人も立ってなんぞいなかったのだと思うと、
玄蕃
(
げんば
)
、一時に
胆力
(
たんりょく
)
を
恢復
(
かいふく
)
して
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
買って来る
胆力
(
たんりょく
)
はあるまい。——豆腐はちゃんと買って来ている。——本当に殺す気なら、まだ外に折があったはずだし、もう少し騒ぎ立てるわけだ
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
またその場に急に英雄豪傑を
真似
(
まね
)
たとて、その腹の底に
胆力
(
たんりょく
)
がなければ、話しているあいだの姿勢にて暴露する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
で、それに跟いて往くと、三畳敷位の広い巌窟になって、その下の
微暗
(
うすぐら
)
い処に白骨になりかけた死骸が
横
(
よこた
)
わっていた。
胆力
(
たんりょく
)
のある李張はその死骸に近寄った。
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
だがしかし、さすがは少年探偵として、師の帆村荘六から
折紙
(
おりがみ
)
をつけられている三吉のことだった。九死のうちにも、僅かな隙を見出す機転と
胆力
(
たんりょく
)
とがあった。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かれの天性の怪力は、父能登守のそれ以上で、幼少から、
快川和尚
(
かいせんおしょう
)
に
胆力
(
たんりょく
)
をつちかわれ、さらに
天稟
(
てんぴん
)
の武勇と血と涙とを、若い五体にみなぎらせている
熱血児
(
ねっけつじ
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おれは
卑怯
(
ひきょう
)
な人間ではない。
臆病
(
おくびょう
)
な男でもないが、
惜
(
お
)
しい事に
胆力
(
たんりょく
)
が欠けている。先生と大きな声をされると、腹の減った時に丸の内で
午砲
(
どん
)
を聞いたような気がする。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう六十を越した老人ではあったが、根が漁師育ちである丈けに、
胆力
(
たんりょく
)
はガッシリと据っていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
古い家々の
躾
(
しつ
)
けかたには、女子の勇気と
胆力
(
たんりょく
)
とを、ただ死の方面にしか発露せしめないような、わけのわからぬ方針が久しく立っていて、死ぬほどの不幸が家に起こらぬかぎり
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
お年二十二の時に
悪者
(
わるもの
)
を
斬殺
(
きりころ
)
して
毫
(
ちっと
)
も動ぜぬ剛気の
胆力
(
たんりょく
)
でございましたれば、お年を取るに
随
(
したが
)
い、
益々
(
ます/\
)
智慧
(
ちえ
)
が進みましたが、その
後
(
のち
)
御親父
(
ごしんぷ
)
様には亡くなられ、平太郎様には
御家督
(
ごかとく
)
を御相続あそばし
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こう
覘
(
ねら
)
われては、もう逃げる余裕はない。この上は
胆力
(
たんりょく
)
を
据
(
す
)
えて、白幽霊の前に出、そして彼等の質問に答えると共に、逆に彼等の正体を偵察してやろうと決心した。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
武蔵は童の
胆力
(
たんりょく
)
に感じて、共に手伝って、屍体を裏山へ運んで厚く葬ってやった。そしてこの孤児の胆力と
怜悧
(
れいり
)
を愛して、永く手許に養い、遊歴中も連れ歩いていたそうである。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とゴルドンは手をふって、「
才知
(
さいち
)
と
胆力
(
たんりょく
)
と正義は、富士男君を第一におすべきだ」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
女の子にしては恐ろしい
胆力
(
たんりょく
)
だ
銭形平次捕物控:246 万両分限
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
沖島速夫は、どこまで
胆力
(
たんりょく
)
がすわっているのか、ゆうゆうと、リント少将に対しているのだ。
地底戦車の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ほかの物見と事ちがい、敵前敵中の十七、八町にわたる低地高地を、悠々と、ただ一騎乗りわたして、ぬすみ眼でなく、
胆力
(
たんりょく
)
で見とどけて来た藤蔵の報告である。家康も、信頼した。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、自分の懐かしい家は無くなり、美しい
背広
(
せびろ
)
も、
丹精
(
たんせい
)
した
盆栽
(
ぼんさい
)
も、振りなれたラケットもすべて赤い
焼灰
(
やけばい
)
に変ってしまったことがハッキリ頭に入ると、
反
(
かえ
)
って不思議にも
胆力
(
たんりょく
)
が
据
(
すわ
)
ってきた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“胆力”の意味
《名詞》
物怖じしない気力。度胸。
(出典:Wiktionary)
胆
常用漢字
中学
部首:⾁
9画
力
常用漢字
小1
部首:⼒
2画
“胆”で始まる語句
胆
胆吹山
胆振
胆汁
胆玉
胆煎
胆太
胆気
胆魂
胆沢