聖者せいじゃ)” の例文
金博士が、砲弾にけて通ったんだろうか。わが印度インドでは、聖者せいじゃが、一団いちだん鬼火おにびに化けて空を飛んだという伝説はあるが、人間が砲弾になるなんて……
ロミオ おゝ、いでさらば、わが聖者せいじゃよ、所爲わざくちびるさしめたまへ。くちびるいのりまする、ゆるしたまへ、さもなくば、信心しんじんやぶれ、こゝろみだれまする。
かみさまは天国てんごくのおにわ散歩さんぽなさろうとお思いになって、使徒しと聖者せいじゃたちをみんなおつれになりました。そのため、天国にはせいペテロさまがひとりしかのこっていませんでした。
熟々つくづくと見て居ると、くれない歓楽かんらくの世にひとり聖者せいじゃさびしげな白い紫雲英が、彼所かしこに一本、此処ここに一かぶ、眼に立って見える。主人はやおら立って、野に置くべきを我庭にうつさんと白きを掘る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
博士は、すぐにも聖者せいじゃ足許あしもとけよって、彼の願い事を訴えるつもりであったが、それは出来なかった。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ロミオ なんうたものかわしらぬ。なう、わが聖者せいじゃよ、わがきみかたきぢゃとあるゆゑ、自分じぶんながらにくうて/\、かみいてあるものなら、引破ひきやぶってしまひたい。
彼はまず聴衆に向って、これより聖者せいじゃレザール氏をわずらわして心霊実験を行うとアナウンスし
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ヂュリ 巡禮じゅんれいどの、作法さはふかなうた御信仰ごしんかうぢゃに、其樣そのやうにおッしゃッては、そのいかァいどく聖者せいじゃがたにも御手みてはある、その御手みてるゝのが巡禮じゅんれい接吻禮キッスとやら。
いつの間にか、聖者せいじゃは博士の前に近く立っていた。ふしぎである。博士は、自分の現在の居場所を知るために、あたりに目を走らせた。依然いぜんとして、同じ城壁の上に居るのであった。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)