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網棚
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あみだな
ふりがな文庫
“
網棚
(
あみだな
)” の例文
網棚
(
あみだな
)
の上の
風呂敷
(
ふろしき
)
の中には、お母さんから托された、お祝いの品が包んである。昨日、お母さんと二人で、新宿へ出てととのえた品であった。
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
網棚
(
あみだな
)
に絵の具箱をのせる空所もなかったのでベンチにのせかけて持っているうちに、誤って取り落とすと隣に立っていた老人の足に当たった。
写生紀行
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
さっきはその上に
頤
(
あご
)
を載せていたのが、今はうしろへ
凭
(
よ
)
りかかっていて、頭の上の
網棚
(
あみだな
)
に真っ白なパナマ帽を置いている。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「おかしいも
不審
(
ふしん
)
もありませんや。そら」その男は立って、
網棚
(
あみだな
)
から
包
(
つつ
)
みをおろして、手ばやくくるくると
解
(
と
)
きました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
なにか照れ
臭
(
くさ
)
く、まごまごすると、
慌
(
あわ
)
てて手帳をベッドの上の
網棚
(
あみだな
)
に、
抛
(
ほう
)
りあげ、そそくさ、部屋を出て行きました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
▼ もっと見る
ふり仰ぐと、それまで私のうしろに立っていたらしい若い女のひとが、いましも腕を伸ばして
網棚
(
あみだな
)
の上の白いズックの
鞄
(
かばん
)
をおろそうとしているところでした。
たずねびと
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
が、
例
(
れい
)
の
大鞄
(
おほかばん
)
が、
其
(
そ
)
のまゝ
網棚
(
あみだな
)
にふん
反返
(
ぞりがへ
)
つて、
下
(
した
)
に
皺
(
しな
)
びた
空気枕
(
くうきまくら
)
が
仰向
(
あふむ
)
いたのに、
牛乳
(
ぎうにう
)
の
壜
(
びん
)
が
白
(
しろ
)
い
首
(
くび
)
で
寄添
(
よりそ
)
つて、
何
(
なん
)
と……、
添寝
(
そひね
)
をしようかとする
形
(
かたち
)
で
居
(
ゐ
)
る。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
精縷
(
セル
)
の背広なるもあり、
袴
(
はかま
)
着けたるが一人、
大島紬
(
おほしまつむぎ
)
の長羽織と差向へる人のみぞフロックコオトを着て、待合所にて受けし
餞別
(
せんべつ
)
の
瓶
(
びん
)
、
凾
(
はこ
)
などを
網棚
(
あみだな
)
の上に片附けて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「お父さんありますよ。」四男は笑ひながら、
網棚
(
あみだな
)
のうへを見あげた、昨日から籠に残つてゐたサンマーオレンヂが三つ四つに、メロンが一つ紙包みのまゝおかれてあつた。
青い風
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
網棚
(
あみだな
)
の片隅に置いた骨壺が、絶えず彼の意識から離れなかった。荒涼とした夜汽車の旅だったが、混濁と疲労の底から、何か一すじ
清冽
(
せいれつ
)
なものが働きかけてくるような気持もした。
死のなかの風景
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
山へ行く汽車は
煤
(
すす
)
けたままで、バタバタ瞼のように窓を開けた。窓が開くと、たくさんの見送りが、蟻のように窓に寄った。与一は
網棚
(
あみだな
)
の上に
帽子
(
ぼうし
)
と新聞包みを高く差し上げている。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
帽子を
眼深
(
まぶか
)
に
被
(
かぶ
)
った。パリーにはたくさんいると聞いていた盗人を気づかって、首のところまで服のボタンをかけた。幾度も立ったりすわったりした。
網棚
(
あみだな
)
と腰掛とに幾度もかばんを置き代えた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
あるいは室内のトランクが汽車の
網棚
(
あみだな
)
のトランクに移り変わるような種類である。ところが、連句ではこれに似たことがしばしば行なわれる。
映画芸術
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「ええ、いいんです。」ジョバンニは、少し肩をすぼめて
挨拶
(
あいさつ
)
しました。その人は、ひげの中でかすかに
微笑
(
わら
)
いながら荷物をゆっくり
網棚
(
あみだな
)
にのせました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼女がそう云っている暇に、妙子はもう立ち上って
網棚
(
あみだな
)
の上の
籠
(
かご
)
だの風呂敷包だのを卸していた。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ええ、いいんです」ジョバンニは、少し
肩
(
かた
)
をすぼめてあいさつしました。その人は、ひげの中でかすかに
微笑
(
わら
)
いながら
荷物
(
にもつ
)
をゆっくり
網棚
(
あみだな
)
にのせました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
網棚
(
あみだな
)
の上には白い荷物も見えなかったのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
網棚
(
あみだな
)
の上には白い
荷物
(
にもつ
)
も見えなかったのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“網棚”の解説
網棚(あみだな)とは、電車やバスの車内にある、持ち込み手荷物を置くための棚である。
(出典:Wikipedia)
網
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
棚
常用漢字
中学
部首:⽊
12画
“網”で始まる語句
網
網代
網膜
網羅
網代笠
網代木
網走
網代車
網引
網元