紅海こうかい)” の例文
このような海岸線かいがんせん組合くみあはせは地球上ちきゆうじよういたところ見出みいだされるが、紅海こうかい東海岸ひがしかいがん西海岸にしかいがんとのごときもいちじるしい一組ひとくみである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
紅海こうかいは大陸の裂罅れっかだとしいて思ってみても、眼前の大自然の美しさは増しても減りはしなかった。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
私が印度洋を知らなかった時、私の心配は印度洋と紅海こうかいのその暑さの度合だった。どれ位の暑さかという事を経験ある人たちにたずねて見たが、各々人によって答が異っていた。
わたくしは使命を果すためには、この国の山川やまかわに潜んでいる力と、——多分は人間に見えない霊と、戦わなければなりません。あなたは昔紅海こうかいの底に、埃及エジプト軍勢ぐんぜいを御沈めになりました。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
往昔むかしから世界せかいだい一の難所なんしよ航海者かうかいしやきもさむからしめた、紅海こうかいめい死海しかいばれたる荒海あらうみ血汐ちしほごと波濤なみうへはしつて、右舷うげん左舷さげんよりながむる海上かいじやうには、此邊このへん空氣くうき不思議ふしぎなる作用さようにて
船は紅海こうかいの入口にあたる仏領ジュプティの港へも寄って石炭を積んで来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
紅海こうかいに入りたる船はのぼるを右にふりさけ見れども飽かず
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ことわが弦月丸げんげつまるいま萬里ばんり波濤はたうこゝろざして、おと名高なだか地中海ちちゆうかい紅海こうかい印度洋等インドやうとう難所なんしよすゝらんとするその首途かどでに、滊船きせん安全あんぜん航行かうかう表章しるしとなるべき白色檣燈はくしよくしやうとう微塵みじんくだけて、その燈光ともしびえ、同時どうじ
紅海こうかいの船の上より見えてゐるカソリンざんさびしかりけり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)