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とくじつ
ふりがな文庫
“
篤実
(
とくじつ
)” の例文
旧字:
篤實
楼上
(
ろうじょう
)
の接客室で逢いましたが、その
容貌
(
ようぼう
)
は温厚
篤実
(
とくじつ
)
でその中に威儀
凜然
(
りんぜん
)
として侵すべからざる一種の徳を備え英語もなかなかよく出来る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
篤実
(
とくじつ
)
謹厚
(
きんこう
)
と見えたが、その裏には、
邪智
(
じゃち
)
佞才
(
ねいさい
)
もあった。上下に気うけがよかったが一面には自分へ追従軽薄をなすものを歓ぶふうもあった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
治兵衛はこう言って
首垂
(
うなだ
)
れました。見たところ四十前後、
大家
(
たいけ
)
の主人らしい落着きと品の中にも、何となく迷信深そうな、
篤実
(
とくじつ
)
らしさも思わせます。
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
山岸さんは、私たちの先輩の
篤実
(
とくじつ
)
な文学者であり、三田君だけでなく、他の四、五人の学生の小説や詩の勉強を、誠意を
以
(
もっ
)
て指導しておられたようである。
散華
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
人の狼なるは狼の狼なるよりも
可惧
(
おそるべく
)
可悪
(
にくむべし
)
。
篤実
(
とくじつ
)
を
外面
(
げめん
)
とし、
奸慾
(
かんよく
)
を
内心
(
ないしん
)
とするを
狼者
(
おほかみもの
)
といひ、
娵
(
よめ
)
を
悍戻
(
いびる
)
を
狼老婆
(
おほかみばゝ
)
といふ。
巧
(
たくみ
)
に
狼心
(
らうしん
)
をかくすとも
識者
(
しきしや
)
の
心眼
(
しんがん
)
は
明鏡
(
めいきやう
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
幸い相手が、こう云う
家業
(
かぎょう
)
に似合わぬ
篤実
(
とくじつ
)
な男で、かつ自分の不経験を気の毒に思うのあまり、この生意気を生意気と知りながら大目に見てくれたもんだから、どやされずに済んだ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の父杉
百合之助
(
ゆりのすけ
)
は
敬神
(
けいしん
)
家にして
忠摯
(
ちゅうし
)
篤実
(
とくじつ
)
なる
循吏
(
じゅんり
)
なりき。彼の母児玉氏は、賢にして婦道あり、姑に
事
(
つか
)
うる至孝、子を教ゆる則あり、
仁恕
(
じんじょ
)
勤倹
(
きんけん
)
、
稼穡
(
かしょく
)
の労に任じ自から馬を牧するに至る。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
丹沢山
(
たんざわやま
)
で会った
篤実
(
とくじつ
)
な四人の学者たち。それから、
小
(
ち
)
っちゃなボクさん。
キャラコさん:09 雁来紅の家
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
扨
(
さて
)
雑誌は
益〻
(
ます/\
)
売れるのであつたが、
会計
(
くわいけい
)
の
不取締
(
ふとりしまり
)
と
一
(
ひと
)
つには
卸売
(
おろしうり
)
に
行
(
ある
)
かせた
親仁
(
おやじ
)
が
篤実
(
とくじつ
)
さうに見えて、実は
甚
(
はなは
)
だ
太
(
ふと
)
い
奴
(
やつ
)
であつたのを知らずに
居
(
ゐ
)
た
為
(
ため
)
に、
此奴
(
こいつ
)
に
余程
(
よほど
)
好
(
よ
)
いやうな事を
為
(
さ
)
れたのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
温厚
篤実
(
とくじつ
)
、今の世には珍らしい人物で、且つ博学で、恐らく大学に業を修したのであろうと、中学校の生意気なのが渡りものと侮って冷かしに行って舌を巻いたことさえあるから、
教子
(
おしえご
)
も多く
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日頃
篤実
(
とくじつ
)
の老師にも似合わず不真面目至極とは
覚
(
おぼ
)
しめさぬかな
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
人の狼なるは狼の狼なるよりも
可惧
(
おそるべく
)
可悪
(
にくむべし
)
。
篤実
(
とくじつ
)
を
外面
(
げめん
)
とし、
奸慾
(
かんよく
)
を
内心
(
ないしん
)
とするを
狼者
(
おほかみもの
)
といひ、
娵
(
よめ
)
を
悍戻
(
いびる
)
を
狼老婆
(
おほかみばゝ
)
といふ。
巧
(
たくみ
)
に
狼心
(
らうしん
)
をかくすとも
識者
(
しきしや
)
の
心眼
(
しんがん
)
は
明鏡
(
めいきやう
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
○こゝに
我
(
わが
)
郡中
(
ぐんちゆう
)
の
山村
(
さんそん
)
に(
不祥
(
ふしやう
)
のことなれば地名人名をはぶく)まづしき
農夫
(
のうふ
)
ありけり、老母と妻と十三の女子七ツの男子あり。此農夫
性質
(
せいしつ
)
篤実
(
とくじつ
)
にしてよく母につかふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
○こゝに
我
(
わが
)
郡中
(
ぐんちゆう
)
の
山村
(
さんそん
)
に(
不祥
(
ふしやう
)
のことなれば地名人名をはぶく)まづしき
農夫
(
のうふ
)
ありけり、老母と妻と十三の女子七ツの男子あり。此農夫
性質
(
せいしつ
)
篤実
(
とくじつ
)
にしてよく母につかふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此一家
(
このいつか
)
の
者
(
もの
)
すべて
篤実
(
とくじつ
)
なれば
耕織
(
かうしよく
)
を
勤行
(
よくつとめ
)
、
小農夫
(
こびやくしやう
)
なれども
貧
(
まづし
)
からず、
善男
(
よきせがれ
)
をもち
良娵
(
よきよめ
)
をむかへ
好孫
(
よきまご
)
をまうけたりとて一
村
(
そん
)
の人々
常
(
つね
)
に
羨
(
うらやみ
)
けり。かゝる
善人
(
ぜんにん
)
の
家
(
いへ
)
に天
災
(
わざはひ
)
を
下
(
くだ
)
ししは
如何
(
いかん
)
ぞや。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“篤実”の意味
《名詞》
情があり誠実なこと。思いやりがありまじめであること。
(出典:Wiktionary)
篤
常用漢字
中学
部首:⽵
16画
実
常用漢字
小3
部首:⼧
8画
“篤実”で始まる語句
篤実一方
篤実温厚