突破つきやぶ)” の例文
穴は雪の為に入口をふさがれて居りますから、表からは見えませぬが、手を突くはずみに、土の盛ってある処を突破つきやぶり、其の儘穴の中へころ/\/\。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と、突破つきやぶったような笑声が起った。それは、豪快な笑いにかかわらず、僕にも、ひょうのような水夫にも、死人の笑いのように冷たくきこえたので、振りかえった。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
三羽さんば四羽しは憤怒ふんぬ皷翼はゞたきともごと氣球きゝゆう飛掛とびかかる、あつといふに、氣球きゝゆうたちまそのするどくちばし突破つきやぶられた。
しかも、先方さきは、義理ぎり首尾しゆびで、差當さしあたつてはわるところを、お前樣まへさま突詰つきつめて、つて、かきへいも、押倒おしたふ突破つきやぶる、……ちからで、むね掻毮かきむしるやうにあせるから、をなごせまつて
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「ガンブローてう」に突破つきやぶられたる輕氣球けいきゝゆうは、水素瓦斯すいそぐわするゝおとともに、キリヽ/\と天空てんくうくだつて、『あはや』といふに、大洋たいやう眞唯中まつたゞなか落込おちこんだのである。
其の昔、駕籠訴をいたします者はいずれも身軽に出立いでたちまして、お駕籠脇のすきうかゞい、右の手に願書を捧げ、左手ゆんででお駕籠にすがるのでございますから、時に依ると簾を突破つきやぶることがございます。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
塲内じやうない光景くわうけいじつ慘憺さんたんたるもので、濁浪だくらう怒濤どたう一方いつぽう岩壁いわかべ突破つきやぶつて、奔流ほんりうごと其處そこから浸入しんにふしたものとへ、そのそばの、かね發動藥液はつどうやくえき貯藏ちよぞうせられてつた小倉庫せうさうこてつとびら微塵みぢんくだかれて