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稽古本
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けいこぼん
ふりがな文庫
“
稽古本
(
けいこぼん
)” の例文
わたしは姉の持っている
稽古本
(
けいこぼん
)
をよみ尽くして、さらに太喜次さんのところから長唄の稽古本を借り出して来て、無茶苦茶に
濫読
(
らんどく
)
した。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あの時、あたしはあなたの傍にいたのよ。あなたは
稽古本
(
けいこぼん
)
なんか出して、何だか印をつけたりして、きざだったわね。お稽古も、やってるの?」
チャンス
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
清元
(
きよもと
)
の師匠のもとからの帰りででもあると見えて、二人とも
稽古本
(
けいこぼん
)
を
小脇
(
こわき
)
にかかえながら橋を渡って来る。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
甚助さんが改めると、娘の
稽古本
(
けいこぼん
)
を包んだ風呂敷には灰がいつぱい附いて居ります。香爐でも隱したんでなければ、風呂敷へ灰なんか附くわけはないと申します。
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香爐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
稽古本
(
けいこぼん
)
で見馴れた仮名より外には何にも読めない
明盲目
(
あきめくら
)
である。この社会の人の持っている
諸有
(
あらゆ
)
る迷信と
僻見
(
へきけん
)
と虚偽と不健康とを一つ残らず遺伝的に譲り受けている。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
母が十七八の時に手写したと云う琴唄の
稽古本
(
けいこぼん
)
を見たことがあるが、それは半紙を四つ折りにしたものへ横に唄の詞を
列
(
つら
)
ね、
行間
(
ぎょうかん
)
に琴の
譜
(
ふ
)
を
朱
(
しゅ
)
で
丹念
(
たんねん
)
に書き入れてある
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わたしがまだ
稽古本
(
けいこぼん
)
のはいったつばくろぐちを抱えて、
大門通
(
おおもんどおり
)
を
住吉町
(
すみよしちょう
)
まで歩いて
通
(
かよ
)
っていたころ、芳町には
抱
(
かか
)
え
車
(
ぐるま
)
のある芸妓があるといってみんなが驚いているのを聞いた。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
下寺町の広沢八助に入門し、校長の相弟子たる光栄に浴していた。なお校長の
驥尾
(
きび
)
に
附
(
ふ
)
して、日本橋五丁目の裏長屋に住む浄瑠璃本写本師、毛利金助に
稽古本
(
けいこぼん
)
を註文したりなどした。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
三尺帯
(
さんじゃくおび
)
に
手拭
(
てぬぐい
)
を肩にした近所の
若衆
(
わかいしゅ
)
は
稽古本
(
けいこぼん
)
抱えた娘の姿に振向き、
菅笠
(
すげがさ
)
に
脚絆掛
(
きゃはんがけ
)
の田舎者は見返る商家の
金
(
きん
)
看板に驚嘆の眼を
睜
(
みは
)
って行くと、その
建続
(
たちつづ
)
く屋根の海を越えては二
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ふと蘿月は何かその
辺
(
へん
)
に読む本でもないかと思いついて、
箪笥
(
たんす
)
の上や押入の中を
彼方
(
あっち
)
此方
(
こっち
)
と
覗
(
のぞ
)
いて見たが、書物といっては
常磐津
(
ときわず
)
の
稽古本
(
けいこぼん
)
に
綴暦
(
とじごよみ
)
の古いもの位しか見当らないので
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ふと
蘿月
(
らげつ
)
は
何
(
なに
)
かその
辺
(
へん
)
に読む本でもないかと思ひついて、
箪笥
(
たんす
)
の上や
押入
(
おしいれ
)
の中を
彼方此方
(
あつちこつち
)
と
覗
(
のぞ
)
いて見たが、書物と
云
(
い
)
つては
常磐津
(
ときはづ
)
の
稽古本
(
けいこぼん
)
に
綴暦
(
とぢごよみ
)
の古いもの
位
(
くらゐ
)
しか
見当
(
みあた
)
らないので
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
稽古本
(
けいこぼん
)
を広げた
桐
(
きり
)
の小机を中にして
此方
(
こなた
)
には三十前後の商人らしい男が
中音
(
ちゅうおん
)
で、「そりや何をいはしやんす、今さら兄よ
妹
(
いもうと
)
といふにいはれぬ
恋中
(
こいなか
)
は……。」と「
小稲半兵衛
(
こいなはんべえ
)
」の
道行
(
みちゆき
)
を語る。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
稽古本
(
けいこぼん
)
を広げた
桐
(
きり
)
の
小机
(
こづくゑ
)
を中にして
此方
(
こなた
)
には三十前後の商人らしい男が
中音
(
ちゆうおん
)
で、「そりや
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
はしやんす、今さら兄よ妹と
云
(
い
)
ふに
云
(
い
)
はれぬ
恋中
(
こひなか
)
は………。」と「
小稲半兵衛
(
こいなはんべゑ
)
」の
道行
(
みちゆき
)
を語る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
其処には
舟底枕
(
ふなぞこまくら
)
がひっくり返っている。其処には貸本の小説や
稽古本
(
けいこぼん
)
が投出してある。寵愛の小猫が鈴を鳴しながら
梯子段
(
はしごだん
)
を
上
(
あが
)
って来るので、
皆
(
みんな
)
が落ちていた誰かの赤いしごきを振って
戯
(
じゃ
)
らす。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
稽
常用漢字
中学
部首:⽲
15画
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
本
常用漢字
小1
部首:⽊
5画
“稽古”で始まる語句
稽古
稽古場
稽古事
稽古着
稽古槍
稽古矢
稽古所
稽古屋
稽古三味線
稽古日