砂金さきん)” の例文
しかし、砂漠さばくえていくと、あちらのやま砂金さきんるということ、また、いろいろの宝石類ほうせきるいるということだけは、たしかでした。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
詩人しじんこれでは、鍛冶屋かじや職人しよくにん宛如さながらだ。が、そにる、る、りつゝあるはなんであらう。没薬もつやくたんしゆかうぎよく砂金さきんるゐではない。蝦蟇がまあぶらでもない。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ここの渓流けいりゅうでは砂金さきんがとれる、砂金をうってよろい小太刀こだち金具かなぐをつくる少女があり、そうかと思うと、かわをついで絹糸きぬいとで、武具ぶぐ草摺くさずりをよろっているうちも見える。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その外国人がこの小川に砂金さきんれるなど云い出し一時非常に騒がれたことがあった。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
ちたはちの中からは、きんうるしをぬったはこが二つ出て、その中にはきんさかずきぎん長柄ながえ砂金さきんつくったたちばなのと、ぎんつくったなしの、目のめるような十二ひとえのはかま
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
綾や絹はおろかな事、珠玉とか砂金さきんとか云う金目かねめの物が、皮匣かわごに幾つともなく、並べてあると云うじゃございませぬか。これにはああ云う気丈な娘でも、思わず肚胸とむねをついたそうでございます。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ひろい、ひろい、砂漠さばくのはてから、砂金さきんや、ダイヤモンドや、また、いろいろなめずらしい宝石ほうせきるということをくと、かれらはいさんで、それをりにかけようとしたのでした。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)