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めくば
ふりがな文庫
“
眼配
(
めくば
)” の例文
お幾は氣がついたやうに
四方
(
あたり
)
を見廻しました。先刻八五郎が、平次の
眼配
(
めくば
)
せで、外へ飛んで出たことに氣がつかないほど緊張してゐた樣子です。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
眼配
(
めくば
)
せして止める。そして、不審顔の
巴剌帖木
(
パラテム
)
の手を引き、道行きのおかし味よろしく、下手へ引っ込む。舞台無人。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
半七に
眼配
(
めくば
)
せをされて、庄太はその唐紙を明けようとすると、建て付けが悪いので
軋
(
きし
)
んでいる。力任せにこじ明けると、唐紙は溝をはずれてばたりと倒れた。
半七捕物帳:56 河豚太鼓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
だがその
忙
(
せわ
)
しい中にも、時々、新吉が背なかにかぶっているつづらのほうへ
眼配
(
めくば
)
りを忘れていない。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思わせぶりな
眼配
(
めくば
)
せをしていたが、なにをいうつもりだったのだろうというようなことをくよくよと思い返していたわけだったろうが、先方は相模一の有徳人の一ノ姫で
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
眼配
(
めくば
)
せをしたけれど、竹丸は何が何やら分らぬので、腕まで腫れて來た母の拳を見詰めてゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ぐびり/\と飮居たりしが今半四郎が
胴卷
(
どうまき
)
より錢を出し酒飯の
代
(
だい
)
を勘定する處をじろりと見るに胴卷には彼の
頼
(
たの
)
まれたる金子五十兩
蛇
(
へび
)
が
蛙
(
かへる
)
を
呑
(
のみ
)
し樣に成て有ければ雲助共
眼配
(
めくば
)
せを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
フォン・リンデン伯爵夫人と、給仕に出ていた
執事
(
しつじ
)
との間に素早い
眼配
(
めくば
)
せが交された。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
吉岡へ静かに
従
(
つ
)
いて来る様
眼配
(
めくば
)
せして傍らの松林へ這入って行ったんです。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
課長は気色のわるそうな顔をしたが、眼を転じて部下の一人へ
眼配
(
めくば
)
せした。
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
取
(
と
)
りつ
慰
(
なぐさ
)
めつ
一方
(
かたへ
)
は
心
(
こゝろ
)
を
浮
(
う
)
かせんと
力
(
つと
)
め
一方
(
かたへ
)
は
見張
(
みは
)
りを
嚴
(
げん
)
にして
細
(
ほそ
)
ひも
一筋
(
ひとすぢ
)
小刀
(
こがたな
)
一挺
(
いつてふ
)
お
高
(
たか
)
が
眼
(
め
)
に
觸
(
ふ
)
れさせるな
夜
(
よる
)
は
別
(
べつ
)
して
氣
(
き
)
をつけよと
氣配
(
きくば
)
り
眼配
(
めくば
)
り
大方
(
おほかた
)
ならねば
召使
(
めしつか
)
ひの
者
(
もの
)
も
心
(
こゝろ
)
を
得
(
え
)
て
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼女は島田髷の頭を重そうに垂れて、なにかの苦労ありげに悄然としているのが半七の注意をひいたので、彼は幸次郎に
眼配
(
めくば
)
せしながら、小戻りして其のあとを追った。
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
平次は、時三郎からは、これ以上の手掛りを引出せないと思つたか、八五郎に
眼配
(
めくば
)
せして、宜い加減のところで切上げ、加納屋の塀の内を、もう一と廻りして、フト足を止めました。
銭形平次捕物控:252 敵持ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
袖ひき、
眼配
(
めくば
)
せして、一同は喬之助を取り囲んだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして、逃げ口を探すような
眼配
(
めくば
)
りして
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半七に
眼配
(
めくば
)
せをされて、女房のお仙が出てみると、
沓脱
(
くつぬぎ
)
の土間に一通の封じ文が落ちていた。
半七捕物帳:56 河豚太鼓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
平次に
眼配
(
めくば
)
せされて、八五郎が飛んで出ると
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
半七に
眼配
(
めくば
)
せされて、松吉は衝立越しに声をかけた。
半七捕物帳:52 妖狐伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
配
常用漢字
小3
部首:⾣
10画
“眼”で始まる語句
眼
眼鏡
眼前
眼瞼
眼差
眼窩
眼球
眼眸
眼色
眼力