めしひ)” の例文
我こゝより登りてわがめしひを癒さんとす、我等の爲に恩惠めぐみを求むる淑女天に在り、是故にわれ肉體を伴ひて汝等の世を過ぐ 五八—六〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
子供の感覚は活きて動き、大人の感覚はその智慧から先づめしひにされて死んで了つてゐます。大した違ひではあるまいかと思ひます。
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その中に、『招提寺、鑑眞和尚來朝の時、船中七十餘度の難をしのぎたまひ、御眼のうち鹽風吹き入りて、終に御眼めしひさせ給ふ』
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
大阪戸一五よりもあしなへめしひ遇はむ。ただ木戸一六掖戸わきどの吉き戸一七と卜へて、いでましし時に、到りますところごとに品遲部ほむぢべを定めたまひき。
むかし我が愛せしめしひの子に姿貌すがたかたちの似たればこそ、われはマリアに心をかれしなれ。友。
が、みやくつて吹雪ふゞきると、呼吸こきふむせんで、めしひのやうにるのでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
めしひうばそくもなく手さぐりつたふ渡殿わたどの
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
壁を背にめしひ漢子をのこりかかり
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
憂ひのあゝに終らしむる深き歎息ためいきをつきて後彼曰ひけるは。兄弟よ、世はめしひなり、しかして汝まことにかしこより來る 六四—六六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ここにその曙立あけたつの王に、やまと師木しき登美とみ豐朝倉とよあさくら曙立あけたつの王といふ名を賜ひき。すなはち曙立あけたつの王菟上うながみの王二王ふたばしらを、その御子に副へて遣しし時に、那良戸ならど一四よりはあしなへめしひ遇はむ。
めしひらよ、その赤きはらわたを吸へ。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
長き夜をめしひの「なげき」かすかに
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
その處に死にき、かくて五日と六日目の間に我はまのあたり三人みたりのあひついでたふるゝをみぬ、我まためしひとなりしかば 七〇—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
めしひの子ひたと膝つけ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
汝若しわが持來れるすべての罪を犯せる處、かのうるはしきラチオの國よりいまこのめしひの世に落ちたるならば 二五—二七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かくてかれそのすぐなりし目を横に歪め、少しく我を見て後かうべをたれ、これをほかのめしひ等とならべて倒れぬ 九一—九三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
めしひの牡牛は盲のこひつじよりもく倒る、ひとつつるぎいつにまさりて切味きれあぢよきことしば/\是あり 七〇—七二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)