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男振
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おとこぶり
ふりがな文庫
“
男振
(
おとこぶり
)” の例文
遊女
(
おいらん
)
は自分が薄着なことも、髪のこわれたのも気がつかずに、しみじみと
情人
(
いろ
)
の顔じゃ。
窶
(
やつ
)
れりゃ窶れるほど、嬉しいような
男振
(
おとこぶり
)
じゃが、大層
髭
(
ひげ
)
が伸びていた。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お力も
何処
(
どこ
)
となく
懐
(
なつ
)
かしく思ふかして三日見えねば
文
(
ふみ
)
をやるほどの様子を、
朋輩
(
ほうばい
)
の
女子
(
おんな
)
ども岡焼ながら
弄
(
から
)
かひては、力ちやんお楽しみであらうね、
男振
(
おとこぶり
)
はよし気前はよし
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
能
(
よ
)
く見ると余り
好
(
い
)
い
男振
(
おとこぶり
)
ではなかったが、この“Sneer”が
髯
(
ひげ
)
のない
細面
(
ほそおもて
)
に
漲
(
みなぎ
)
ると
俄
(
にわか
)
に
活
(
い
)
き活きと引立って来て、人に
由
(
よっ
)
ては小憎らしくも思い、
気障
(
きざ
)
にも見えたろうが
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
男振
(
おとこぶり
)
ばかりじゃアないよ、世間の様子を聞くと、お前の所の旦那は
下
(
しも
)
の者へ目をかけ、親に孝行を尽すと云うことだから私アつく/″\惚れたよ、
何
(
ど
)
うせ届かないが森さん
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一体、東京から来る医者を見ると、いずれも役者のように
風俗
(
みなり
)
を作っておりますが、さて
男振
(
おとこぶり
)
の
好
(
いい
)
という人も有ません。然し、この歯医者ばかりは、私も
風采
(
ようす
)
が好と思いましたのです。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
ひんなりとした
男振
(
おとこぶり
)
にて
綛
(
かすり
)
の
藍
(
あい
)
に引つ立つて見ゆる色の白さ、先づ一杯と
盃
(
さかずき
)
差したる三谷が、七分の酔を帯びたる顔に
笑
(
わらい
)
を含み、御苦労を願つたは私の用といふでもなく、例の商用といふでもなし
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
して見ると蝶さんが惚れたのも
男振
(
おとこぶり
)
ばかりじゃあないと見える、
縒
(
より
)
が戻りそうでもありませんかい。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
力
(
りき
)
も
何處
(
どこ
)
となく
懷
(
なつ
)
かしく
思
(
おも
)
ふかして三日
見
(
み
)
えねば
文
(
ふみ
)
をやるほどの
樣子
(
やうす
)
を、
朋輩
(
ほうばい
)
の
女子
(
おんな
)
ども
岡燒
(
おかやき
)
ながら
弄
(
から
)
かひては、
力
(
りき
)
ちやんお
樂
(
たの
)
しみであらうね、
男振
(
おとこぶり
)
はよし
氣前
(
きまへ
)
はよし
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この消息については余り
精
(
くわ
)
しくは知らぬが、眉山がしばしば一葉の家に出入したのは事実であって、ツマリ
頻繁
(
ひんぱん
)
な交際と女に好かれそうな眉山の
男振
(
おとこぶり
)
から附会した風説であったろう。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
飯島様の孝助殿を見習えと叱り付けますものだから、台所のおさんまでが孝助さんは
男振
(
おとこぶり
)
もよし人柄もよし、優しいと誉め、
乳母
(
おんば
)
までが
彼是
(
かれこれ
)
と誉めはやすものだから、娘も、殿様お笑い下さるな
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
苦笑
(
にがわらい
)
をして、客の方がかえって気の毒になる位、別段腹も立てなければ愛想も尽かさず、ただ前町の呉服屋の若旦那が、婚礼というので、いでやかねての
男振
(
おとこぶり
)
、玉も洗ってますます
麗
(
あでや
)
かに
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前さんと二人で
斯
(
こ
)
う
遣
(
や
)
って斯んな田舎へ逃げて来ましたが、是から
世帯
(
しょたい
)
を持って夫婦
中能
(
なかよ
)
く暮せれば、是程嬉しい事はないけれども、お前さんは
男振
(
おとこぶり
)
は
好
(
よ
)
し、浮気者と云う事も知って居るから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と思うと
何
(
ど
)
ういう因果因縁か、新五郎がお園に死ぬほど惚れたので、お園の事というと、能く気を付けて手伝って親切にするから、
男振
(
おとこぶり
)
は
好
(
よ
)
し応対も上手、其の上柔和で主人に気に入られて居るから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
先生の
肖顔
(
にがお
)
だという
風説
(
うわさ
)
があって、
男振
(
おとこぶり
)
がいかにもいい。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
男
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“男”で始まる語句
男
男女
男子
男児
男衆
男妾
男爵
男性
男達
男神