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爐端
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ろばた
爐端の
餅を
頂くあとへ、
手を
揃へ、
頭をならべて、
幾百か
列をなしたのが、
一息に、
山一つ
運んだのであると
言ふ。
洒落れたもので。
差出せばお三婆は
圍爐裡の
端に火を
焚居たりしが是を
聞て大きに悦び
能も/\此大雪を
厭ず
深切にも持來り給へりと
麁朶折くべて寶澤をも
爐端へ坐らせ元より
好の酒なれば
直に
燗を
いま
通つて
來た。あの
土間の
處に
腰を
掛けてな、
草鞋で
一飯をしたものよ。
爐端で
挨拶をした、
面長な
媼さんを
見たか。……
其の
時分は、
島田髷で
惱ませたぜ。
うき
世を
濟ました
媼さんが
一人、
爐端に
留守をして、
暗い
灯で、
絲車をぶう/\と、
藁屋の
雪が、ひらがなで
音信れたやうな
昔を
思つて、
絲を
繰つて
居ると、
納戸の
障子の
破れから