“爐端(ろばた)” の例文
新字:炉端
爐端(ろばた)の餅(もち)を頂(いたゞ)くあとへ、手(て)を揃(そろ)へ、頭(あたま)をならべて、幾百(いくひやく)か列(れつ)をなしたのが、一息(ひといき)に、山(やま)一(ひと)つ運(はこ)んだのであると言(い)ふ。洒落(しやれ)れたもので。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
差出(さしいだ)せばお三婆は圍爐裡(ゐろり)の端(はた)に火を焚(たき)居(ゐ)たりしが是を聞(きい)て大きに悦び能(よく)も/\此大雪を厭(いとは)ず深切(しんせつ)にも持來り給へりと麁朶(そだ)折(をり)くべて寶澤をも爐端(ろばた)へ坐らせ元より好(すき)の酒なれば直(すぐ)に燗(かん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いま通(とほ)つて來(き)た。あの土間(どま)の處(ところ)に腰(こし)を掛(か)けてな、草鞋(わらぢ)で一飯(したく)をしたものよ。爐端(ろばた)で挨拶(あいさつ)をした、面長(おもなが)な媼(ばあ)さんを見(み)たか。……其(そ)の時分(じぶん)は、島田髷(しまだまげ)で惱(なや)ませたぜ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
うき世(よ)を濟(す)ました媼(ばあ)さんが一人(ひとり)、爐端(ろばた)に留守(るす)をして、暗(くら)い灯(ともし)で、絲車(いとぐるま)をぶう/\と、藁屋(わらや)の雪(ゆき)が、ひらがなで音信(おとづ)れたやうな昔(むかし)を思(おも)つて、絲(いと)を繰(く)つて居(ゐ)ると、納戸(なんど)の障子(しやうじ)の破(やぶ)れから
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)