“ろばた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
炉端28.1%
炉辺28.1%
炉傍19.3%
爐邊8.8%
炉側7.0%
爐端3.5%
炉縁1.8%
爐傍1.8%
爐辺1.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薄汚うすぎたない祭文語りは炉端ろばたへ呼び入れられて、鈴木主水もんど刈萱かるかや道心のようなものを語った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
爺さんは怒鳴りながら煙管きせる炉端ろばたを叩いた。父親の春吉は、もう何も言わなかった。深く考え込むようにして煙草を吸った。
駈落 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
辻町糸七は、ぽかんとしていた仕入もの、小机のわきの、火もない炉辺ろばたから、縁を飛んで——跣足はだしで逃げた。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お島はなぐさみにするめんでいた。乳呑児の乳を放させ、姉娘に言って聞かせて、炉辺ろばたの戸棚の方へ立って行った。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私の父は、彼が湯から出て、また炉傍ろばたに座って身体を揺り始めた時、やさしいいたわるような声色こわいろで訊いた。
再度生老人 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
梅三爺はただれた眼をぱちくりさせながら、一度手にした唐鍬を置いて、炉傍ろばたに戻って来た。そして煙管きせるをぬき取った。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
氷滑こほりすべりや竹馬たけうまこゞへたをおうち爐邊ろばたにあぶるのもたのしみでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それからお八重と二人家へ歸ると、父はもう鉈鎌を研ぎ上げたと見えて、薄暗い爐邊ろばたに一人踏込んで、莨を吹かしてゐる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
お民は松葉束を流しもとへ投げ出し、それから泥だらけの草鞋わらぢも脱がずに、大きい炉側ろばたあがりこんだ。
一塊の土 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
杉右衛門は炉側ろばたに坐ったまま、いつまで経っても動こうともしない。やがてたきぎが尽きたと見えて焚火が漸次だんだん消えて来た。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うきましたばあさんが一人ひとり爐端ろばた留守るすをして、くらともしで、絲車いとぐるまをぶう/\と
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
爐端ろばたもちいたゞくあとへ、そろへ、あたまをならべて、幾百いくひやくれつをなしたのが、一息ひといきに、やまひとはこんだのであるとふ。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこへ精米所の主人がやって来て、炉縁ろばた胡坐あぐらをかくと、そこにごろりと寝転んでいたお爺さんはじきに奥へ引込んで行った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「しかし、どうして、あなたがこんな暗い寂しい夕方、思ひがけなく私のこの寂しい爐傍ろばたに現はれるつてことがあり得よう。私は一杯の水を召使の手から受取らうと手をのばした。それにそれはあなたから渡された。私はジョンの女房が返辭をすると思つて物を問ふた。それなのに私の耳にはあなたの聲が聞えた。」
今夜はお聞きにならうつたつて駄目——明日までお待ちにならなくちや。ねえ、私のお話を半分きりにして置くといふのは、それをおしまひまでする爲めに朝食の卓子テエブルに出て參りますといふ保證みたいなものでせう。それに、そのときには私あなたの爐傍ろばたにたつた水一杯を持つて現はれるのぢやないことを考へて置かなくちやなりませんわ。
茶の間の真中に真四角のゐろりがきられて、煤けた鍵竹かぎたけの先には、黒焦に焦げた薬罐がかゝつて、木のころがぶすぶすとその下にいぶつて居る。女房は下座の爐辺ろばたにすわつて挨拶さへもしない。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)