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熱湯
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にえゆ
ふりがな文庫
“
熱湯
(
にえゆ
)” の例文
焼味噌のすこし
黒焦
(
くろこげ
)
に成つたやつを茶漬茶椀かなんかに入れて、そこへ
熱湯
(
にえゆ
)
を
注込
(
つぎこ
)
んで、二三杯もやつて見給へ。大抵の風邪は
愈
(
なほ
)
つて
了
(
しま
)
ふよ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それには先ず薬種屋からサフランを買ってその一
匁
(
もんめ
)
を器へ入れて上から
熱湯
(
にえゆ
)
を
注
(
つ
)
いで暫く浸しておきますと
黄
(
きいろ
)
い汁が出ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
こっちあ、たかだか恩を売って、人情を買う奴だ、
贅六店
(
ぜいろくだな
)
の爺番頭か、三河万歳の株主だと思うから、むてえ癪に障っても、
熱湯
(
にえゆ
)
は可哀相だと我慢をした。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこで、王はみずから其の湯を覗きに行くと、男は
隙
(
すき
)
をみてかの剣をぬき放し、まず王の首を
熱湯
(
にえゆ
)
のなかへ切り落した。つづいて我が首を
刎
(
は
)
ねて、これも湯のなかへ落した。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其
(
それ
)
は
外日
(
いつぞや
)
友人
(
いうじん
)
の
処
(
ところ
)
で、
或冬
(
あるふゆ
)
の
夜
(
よ
)
、
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
みながら
遅
(
おそ
)
くまで
話込
(
はなしこ
)
んでゐた
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
、
恋愛談
(
れんあいだん
)
から
女学生
(
ぢよがくせい
)
の
風評
(
うはさ
)
が
始
(
はじ
)
まつて、
其時
(
そのとき
)
細君
(
さいくん
)
が
一人
(
ひとり
)
の
同窓の友
(
クラスメート
)
に、
散々
(
さん/″\
)
或学生
(
あるがくせい
)
に
苦労
(
くらう
)
をした
揚句
(
あげく
)
、
熱湯
(
にえゆ
)
を
呑
(
のま
)
されて
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
しかし、山家が
何程
(
どれほど
)
恐しい昔
気質
(
かたぎ
)
なもので、すこし毛色の変った
他所者
(
よそもの
)
と見れば頭から
熱湯
(
にえゆ
)
を浴せかけるということは、全く奥様も
御存
(
ごぞんじ
)
ない。そこが奥様は
都育
(
みやこそだち
)
です。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
第十
油揚
(
あぶらげ
)
飯 は
極
(
ご
)
く
無造作
(
むぞうさ
)
なもので、先ずお豆腐の油揚へ
熱湯
(
にえゆ
)
をかけて
油気
(
あぶらけ
)
を取ります。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
人
(
ひと
)
に
踏
(
ふ
)
まれたり、
蹴
(
け
)
られたり、
後足
(
うしろあし
)
で
砂
(
すな
)
をかけられたり、
苛
(
いぢ
)
められて
責
(
さいな
)
まれて、
熱湯
(
にえゆ
)
を
飲
(
の
)
ませられて、
砂
(
すな
)
を
浴
(
あび
)
せられて、
鞭
(
むち
)
うたれて、
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
泣通
(
なきどほ
)
しで、
咽喉
(
のど
)
がかれて、
血
(
ち
)
を
吐
(
は
)
いて
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は鼻を
啜
(
すす
)
りながら、
焚落
(
たきおと
)
しの火を十能に取って炉へ運びましても、奥様は未だ御目覚が無い。
熱湯
(
にえゆ
)
で雑巾を
絞
(
しぼ
)
りまして、御二階を済ましても、まだ御起きなさらない。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『へえ、
左様
(
さう
)
でしたか。』と大日向は鷹匠町の宿のことを言出して笑つた。『貴方も
彼処
(
あすこ
)
の家に泊つておいででしたか。いや、彼時は
酷
(
ひど
)
い
熱湯
(
にえゆ
)
を浴せかけられましたよ。 ...
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
源は、いきなり、
熱湯
(
にえゆ
)
のような言葉を浴せかけました。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“熱湯”の意味
《名詞》
熱湯(ねっとう)
煮え立っている湯。煮え湯。
(出典:Wiktionary)
熱
常用漢字
小4
部首:⽕
15画
湯
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
“熱湯”で始まる語句
熱湯好