-
トップ
>
-
此處
>
-
こヽ
是非吾助も
拜見が
仕たければ、
此頃に
姉樣にお
願ひなされ、お
書き
捨てを
頂きて
給はれ、
必らず、
屹度と
返事の
通路を
此處にをしへ、
一日を
待ち
二日を
待ち
よし
一時は
陸奧の
名取川、
清からぬ
名を
流しても
宜し、
憚かりの
世の
中打割りて
見れば、
天縁我れに
有つて
此處に
運びしかも
知れず、
今こそ
一寒書生の
名もなけれど
此處は
隣りざかひの
藪際にて、
用心の
爲にと
茅葺の
設けに
住まはする
庭男、
扨も
扨も
此曲物とは。
ありしは
何時の七
夕の
夜、なにと
盟ひて
比翼の
鳥の
片羽をうらみ、
無常の
風を
連理の
枝に
憤りつ、
此處閑窓のうち
机上の
香爐に
絶えぬ
烟りの
主はと
問へば、
答へはぽろり
襦袢の
袖に
露を
置きて