此種このしゆ)” の例文
今日こんにちの東京市、ことに場末ばすえの東京市には、至る所に此種このしゆいへが散点してゐる、のみならず、梅雨つゆつたのみの如く、日毎に、格外の増加律を以て殖えつゝある。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すくなくとも喋舌しやべらないことをもつひど自分じぶんらがるもの馬鹿者ばかもの骨頂こつちやうつてろしいして此種このしゆ馬鹿者ばかものいまにチヨイ/\見受みうけるママなさけない次第しだいである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
餘震よしん恐怖きようふせるため、消防しようぼう十分じゆうぶん實力じつりよく發揮はつきすることが出來できなかつたとは、しば/\專門せんもん消防手しようぼうしゆから述懷じつかいであるが、著者ちよしや此種このしゆ人士じんし餘震よしん誤解ごかいしてゐるのを、もつと遺憾いかんおもふものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ぼくは一ねんこゝにおよべば倫理學者りんりがくしや健全先生けんぜんせんせい批評家ひゝやうか、なんといふ動物どうぶつ地球外ちきうぐわい放逐はうちくしたくなる、西印度にしいんど猛烈まうれつなる火山くわざんよ、何故なにゆゑなんぢ熱火ねつくわ此種このしゆ動物どうぶつ頭上づじやうにはそゝがざりしぞ!
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)