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棧橋
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さんばし
ふりがな文庫
“
棧橋
(
さんばし
)” の例文
新字:
桟橋
一時間ほどして船が再び
棧橋
(
さんばし
)
に着いた時、
函館
(
はこだて
)
の町はしらじらとした
暮靄
(
ぼあい
)
の中に包まれてゐたが、それは
夕
(
ゆふ
)
べの港の活躍の時であつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
やあ
汚
(
きたね
)
え
溝
(
どぶ
)
だ。
恐
(
おそろ
)
しい
石灰
(
いしばひ
)
だ。
酷
(
ひど
)
い
道
(
みち
)
だ。
三階
(
さんがい
)
があるぜ、
浴衣
(
ゆかた
)
ばかしの
土用干
(
どようぼし
)
か、
夜具
(
やぐ
)
の
裏
(
うら
)
が
眞赤
(
まつか
)
な、
何
(
なん
)
だ
棧橋
(
さんばし
)
が
突立
(
つツた
)
つてら。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
河岸つぷちの
鶴吉
(
つるよし
)
で飮み直さうといふことになつて、一同ぞろ/\と
棧橋
(
さんばし
)
を渡つて鶴吉の裏口から離屋へ入り込みました。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼女はよく川へ
陥
(
はま
)
り、寒さに
顫
(
ふる
)
えながら
這
(
は
)
いあがると、
棧橋
(
さんばし
)
から川岸の材木納屋へ忍びこんで、
砂弄
(
すないじ
)
りをしながら着物の乾くのを待つのだった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それから、海軍の艦船がつないである
棧橋
(
さんばし
)
にいって、船に乗りこみ、まるで二ひきのオットセイみたいなかっこうで船をながめまわしていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
▼ もっと見る
たしかにかれらは、何かの理由から市中で食事をすませたのち、
棧橋
(
さんばし
)
のところから歩いてきたものだった。水の上はきっとつめたかったのであろう。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
さて牢屋敷から
棧橋
(
さんばし
)
まで連れて来る間、この
痩肉
(
やせじし
)
の、色の青白い喜助の様子を見るに、いかにも
神妙
(
しんびょう
)
に、いかにもおとなしく、自分をば公儀の役人として敬って
高瀬舟
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
汽船へ乗るには
棧橋
(
さんばし
)
からはしけに乗らなければなりません。私達のゐた棧橋にはやはり修学旅行に来たらしい、どこか
外
(
ほか
)
の小学校の生徒も
大勢
(
おほぜい
)
わいわい言つてゐました。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
外
(
はづ
)
し給ふとは
卑怯
(
ひけふ
)
なりと手引袖引萬八樓の
棧橋
(
さんばし
)
より家根船に
乘込
(
のりこま
)
せしが折節
揚汐
(
あげしほ
)
といひ南風なれば忽ち吾妻橋をも打越え
眞乳
(
まつち
)
沈
(
しづ
)
んで
梢
(
こずゑ
)
乘込
(
のりこむ
)
と
彼端唄
(
かのはうた
)
に
謠
(
うたは
)
れたる山谷堀より一同船を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
町の者が船着き場にしてゐる形ばかりの
棧橋
(
さんばし
)
の手前に、何やら倒れてゐる者があつたのです。
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
函館の
棧橋
(
さんばし
)
からそこへ通ふ小蒸汽船に乘つて、
暗褐色
(
あんかつしよく
)
の波のたゆたゆとゆらめく
灣内
(
わんない
)
を
斜
(
なゝめ
)
に横切る時、その
甲板
(
かんぱん
)
に一人
佇
(
たゞず
)
んでゐた私の胸にはトラピスト派の神祕な教義と、
嚴肅
(
げんしゆく
)
な修道士達の生活と
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
歸さず是非お
附合
(
つきあひ
)
なされよと無理に
引留
(
ひきとめ
)
まだ日も高ければ
夕刻
(
ゆふこく
)
迄には
寛々
(
ゆる/\
)
としても歸らるゝなり決して
御迷惑
(
ごめいわく
)
は掛ませぬと
厭
(
いや
)
がる千太郎の
手
(
て
)
引
(
ひき
)
袖
(
そで
)
引
(
ひき
)
萬八の
棧橋
(
さんばし
)
に
繋合
(
もあひ
)
たる家根船へ
漸々
(
やう/\
)
にして
乘込
(
のりこま
)
せり是ぞ千太郎と久八が
大難
(
だいなん
)
の
基
(
もと
)
ゐとこそは成りにけれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「見ましたよ、船が
棧橋
(
さんばし
)
を離れる前から、三味線太鼓で、それはもう、大變な騷ぎでした」
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後ろからすぐ
棧橋
(
さんばし
)
の落ちたのを幸ひ夜の闇に隱れて物好きな千之助の出るのを待ち、絞め殺してもと
企
(
たく
)
らみましたが、斷崖の上へ行つたのを見て、後ろから突き落したと言ふのです。
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
江の島
詣
(
まうで
)
の一行が、暴風雨の爲に
棧橋
(
さんばし
)
が落ちて島に閉ぢ籠められ、そのうちの一人、徳力屋千之助が、雨の止んだ深夜の海の凄まじい樣子を見物すると言つて宿を
脱出
(
ぬけだ
)
し、數百尺の大斷崖から落ちて
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
棧
部首:⽊
12画
橋
常用漢字
小3
部首:⽊
16画
“棧”で始まる語句
棧
棧敷
棧留
棧道
棧俵法師
棧俵
棧径
棧敷席