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故山
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こざん
ふりがな文庫
“
故山
(
こざん
)” の例文
晁蓋はこの一戦を買って出たばかりに、
曾頭市
(
そうとうし
)
の市街戦で矢にあたり、約一ヵ月ほど後、あえなき重傷者になって、
故山
(
こざん
)
へ送り
還
(
かえ
)
されて来た。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妻
(
つま
)
も
唯
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
の
兄
(
あに
)
であれば、
能
(
あた
)
ふ
事
(
こと
)
なら
自
(
みづか
)
ら
見舞
(
みまひ
)
もし、
久
(
ひさし
)
ぶりに
故山
(
こざん
)
の
月
(
つき
)
をも
眺
(
なが
)
めたいとの
願望
(
ねがひ
)
、
丁度
(
ちやうど
)
小兒
(
せうに
)
のこともあるので、
然
(
しか
)
らば
此
(
この
)
機會
(
をり
)
にといふので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
日本語を
善
(
よ
)
くする事邦人に異らず、
蘇山人
(
そさんじん
)
と
戯号
(
ぎごう
)
して俳句を吟じ小説をつづりては常にわれらを
後
(
しりえ
)
に
瞠若
(
どうじゃく
)
たらしめた才人である。
故山
(
こざん
)
に
還
(
かえ
)
る時一句を残して曰く
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もし漢青年が
今日
(
こんにち
)
のように
切迫
(
せっぱく
)
した時局を知ったなら、彼は
立
(
た
)
ち
処
(
どころ
)
に
故山
(
こざん
)
に帰り、
揚子江
(
ようすこう
)
と
銭塘口
(
せんとうこう
)
との下流一帯を
糾合
(
きゅうごう
)
して、一千年前の
呉
(
ご
)
の王国を興したことだろう。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いくばくもなく官を退いた後は、
故山
(
こざん
)
、
虢略
(
かくりゃく
)
に
帰臥
(
きが
)
し、人と
交
(
まじわり
)
を絶って、ひたすら詩作に
耽
(
ふけ
)
った。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
ゆえにもしかくのごとき地名と苗字の関係によってほぼ祖先の生活根拠の
故山
(
こざん
)
を知ることを得、しかもそれに伴なってその当時の経済情態を一部分なりとも知ることができ
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
二十六年
故山
(
こざん
)
を出でて、熊谷の桜に近く住むこと数年、三十三年にはここ
忍沼
(
おしぬま
)
のほとりに移りてより、また数年を出でずして
蝸牛
(
ででむし
)
のそれのごとく、またも重からぬ
殻
(
から
)
を
負
(
お
)
ひて
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
しかるに今日は
以前
(
もと
)
の凡夫のその儘で帰るのですから実に自分の故郷の人に対して恥かしいのみならず、誓いを立てて出た
故山
(
こざん
)
に対しいかにして顔を合わせることが出来ようかと
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
ついに
故山
(
こざん
)
へ帰って
鍬
(
くわ
)
を握り、自分の夢をこのおれに
托
(
たく
)
した、おれには父の胸中がよくわかった、一日も早く一流の剣士になって、父によろこんでもらおうと思った、しかし、もうそのときは来ない
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
が、
巷
(
ちまた
)
の沙汰にも聞いております。せっかくな楠木どのの
御苦諫
(
ごくかん
)
も、みかどの容れ給うところとならず、
逆鱗
(
げきりん
)
さえ
蒙
(
こうむ
)
って、むなしく
故山
(
こざん
)
に
御帰臥
(
ごきが
)
とやらを……。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“故山”の意味
《名詞》
ふるさとの山。
ふるさと。故郷。
(出典:Wiktionary)
故
常用漢字
小5
部首:⽁
9画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“故”で始まる語句
故
故郷
故意
故里
故障
故事
故国
故人
故々
故智