搭載とうさい)” の例文
北口で後尾が襲撃された時、運悪く塩を搭載とうさいした牛車隊が全滅したので、宇治達は次第に塩分の不足に悩まされ始めて来たのである。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
弦月丸げんげつまるには、めづらしく澤山たくさん黄金わうごん眞珠しんじゆとが搭載とうさいされてます、眞珠しんじゆ黄金わうごんとがおびたゞしく海上かいじやう集合あつまる屹度きつとおそたゝりがあります。
ある軍人の話によると、重爆撃機には一キロのテルミットを千個搭載とうさいしうるそうである。それで、ただ一台だけが防御の網をくぐって市の上空をかけ回ったとする。
からすうりの花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
氏は英仏連合軍の中に在りて、自ら偵察機ていさつきを操縦して参戦中なりしが、ダンケルクの陥落かんらく二日前、フランス軍の負傷者等を搭載とうさいしパリに向け離陸後消息しょうそくを絶ちしものなり。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
薩摩半島でつくられ、軍艦や潜水艦に搭載とうさいして、赤道を越えても腐らないので、海軍ではこれを全部買い占めてしまった。そんな話を当時五郎は聞いた。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
えず其邊そのへん航路かうろ徘徊はいくわいし、ときにはとほ大西洋たいせいやう沿岸えんがんまでもふね乘出のりだして、非常ひじやう貴重きちやう貨物くわぶつ搭載とうさいしたふねると、たちまこれ撃沈げきちんして、にくよくたくましうしてるとのはなし
搭載とうさいしていた飛行機を送り出すと、手際てぎわあざやかに、再び水底深く潜航して行った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
海賊かいぞくども如何いかにして探知たんちするものかはらぬがそのねらさだめるふねは、つねだいとう貴重きちやう貨物くわぶつ搭載とうさいしてふねかぎかわりに、滅多めつたそのかたちあらはさぬためと、いま一つにはこの海賊かいぞくはい何時いつころよりか