掛稻かけいね)” の例文
新字:掛稲
以前いぜんから勘次かんじあきになれば掛稻かけいねぬすむとかいふ蔭口かげぐちかれて巡査じゆんさ手帖ててふにもつてるのだといふやうなことがいはれてたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
山家やまが村里むらざと薄紅うすくれなゐ蕎麥そばきりあはしげれるなかに、うづらけば山鳩やまばとこだまする。掛稻かけいねあたゝかう、かぶらはや初霜はつしもけて、細流せゝらぎまた杜若かきつばたひるつきわたかりは、また戀衣こひぎぬ縫目ぬひめにこそ。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宛如さながらあき掛稻かけいねに、干菜ほしな大根だいこんけつらね、眞赤まつか蕃椒たうがらしたばまじへた、飄逸へういつにしてさびのある友禪いうぜん一面いちめんずらりと張立はりたてたやうでもあるし、しきりに一小間々々ひとこま/\に、徳利とくりにお猪口ちよく、おさかなあふぎ
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)