“かけいね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
掛稲58.3%
掛稻25.0%
懸稲16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
悪い事とは知りつつも、そっと隣家の田に行って、掛稲かけいねの穂を五六本盗んで来る。または大根を畠から抜いて還る。大師はその志をあわれんで、雪を降らせてその老女の足跡を隠してやった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
山家やまが村里むらざと薄紅うすくれなゐ蕎麥そばきりあはしげれるなかに、うづらけば山鳩やまばとこだまする。掛稻かけいねあたゝかう、かぶらはや初霜はつしもけて、細流せゝらぎまた杜若かきつばたひるつきわたかりは、また戀衣こひぎぬ縫目ぬひめにこそ。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今まで赤々していた夕陽ゆうひがかげって、野面のづらからは寒い風が吹き、方々の木立や、木立の蔭の人家、黄色い懸稲かけいねくろい畑などが、一様に夕濛靄ゆうもやつつまれて、一日苦使こきつかわれて疲れたからだものうげに
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)