“苦使”の読み方と例文
読み方割合
こきつか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
発育さかりはげしい労働に苦使こきつかわれて営養が不十分であったので、皮膚の色沢いろつやが悪く、青春期に達しても、ばさばさしたような目に潤いがなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼女の唯一の骨肉であり親愛者である弟も、人づかひのはげしい大阪の方で、尫弱よわい体で自転車などに乗つて苦使こきつかはれてゐた。彼女は時々彼に小遣などを送つてゐた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
今まで赤々していた夕陽ゆうひがかげって、野面のづらからは寒い風が吹き、方々の木立や、木立の蔭の人家、黄色い懸稲かけいねくろい畑などが、一様に夕濛靄ゆうもやつつまれて、一日苦使こきつかわれて疲れたからだものうげに
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)