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振分
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ふりわ
ふりがな文庫
“
振分
(
ふりわ
)” の例文
金蔵は、
旗幟
(
はたのぼり
)
を立てる大きな石の柱の下にうずくまって、
振分
(
ふりわ
)
けの荷物を膝の上に取下ろし、お豊の面をさも嬉しそうに見ています。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
振分
(
ふりわ
)
けにして、
比較的
(
ひかくてき
)
輕
(
かる
)
さうなのを
余
(
よ
)
が
擔
(
かつ
)
いで
見
(
み
)
ると、
重
(
おも
)
いの
重
(
おも
)
くないのと、お
話
(
はなし
)
にならぬ。
肩骨
(
かたぼね
)
はメリ/\
響
(
ひゞ
)
くのである。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
脇差を引つこ拔いて、武士と渡り合ふのを不穩當と思つたか、右手に掴んだ
振分
(
ふりわ
)
けの荷、——それを入口を塞いだ大男の
股倉
(
またぐら
)
へパツと抛つたのです。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大手前
(
おおてまえ
)
の
土塀
(
どべい
)
の
隅
(
すみ
)
に、
足代板
(
あじろいた
)
の高座に乗った、さいもん語りのデロレン坊主、但し長い
頭髪
(
かみのけ
)
を
額
(
ひたい
)
に
振分
(
ふりわ
)
け、ごろごろと
錫
(
しゃく
)
を鳴らしつつ、
塩辛声
(
しおからごえ
)
して
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寛文
(
かんぶん
)
十年
陰暦
(
いんれき
)
十月の末、喜三郎は独り蘭袋に辞して、故郷熊本へ帰る旅程に
上
(
のぼ
)
った。彼の
振分
(
ふりわ
)
けの
行李
(
こうり
)
の中には、
求馬
(
もとめ
)
左近
(
さこん
)
甚太夫
(
じんだゆう
)
の三人の遺髪がはいっていた。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
歯朶
(
しだ
)
を踏みしだき、木の根を足がかりに、たちまち、そこに、谷を覗きぐあいに
生
(
は
)
えている一本の山桂の枝へ、
油紙包
(
ゆしづつみ
)
の
振分
(
ふりわ
)
けを肩にしたまま、ひょいと飛びついた。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
主が年の頃は十七八になりもやせん、身には薄色に草模樣を染めたる
小袿
(
こうちぎ
)
を着け、
水際
(
みづぎは
)
立ちし
額
(
ひたひ
)
より
丈
(
たけ
)
にも餘らん
濡羽
(
ぬれは
)
の
黒髮
(
くろかみ
)
、肩に
振分
(
ふりわ
)
けて
後
(
うしろ
)
に
下
(
さ
)
げたる姿、優に氣高し。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
小さく
縦
(
たて
)
に長く折ったのを
結
(
ゆわ
)
えて、
振分
(
ふりわ
)
けにして肩に投げて、
両提
(
ふたつさげ
)
の
煙草入
(
たばこいれ
)
、大きいのをぶら
提
(
さ
)
げて、どういう気か、
渋団扇
(
しぶうちわ
)
で、はたはたと胸毛を
煽
(
あお
)
ぎながら、てくりてくり寄って来て
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もう、
其處等
(
そこら
)
に
如才
(
じよさい
)
はござりません、とお
手代
(
てだい
)
。こゝで
荷鞍
(
にぐら
)
へ、
銀袋
(
ぎんたい
)
と
人參
(
にんじん
)
の
大包
(
おほづつみ
)
を
振分
(
ふりわ
)
けに、
少年
(
せうねん
)
がゆたりと
乘
(
の
)
り、
手代
(
てだい
)
は、
裾短
(
すそみじか
)
な
羽織
(
はおり
)
の
紐
(
ひも
)
をしやんと
構
(
かま
)
へて、
空高
(
そらたか
)
き
長安
(
ちやうあん
)
の
大都
(
だいと
)
を
行
(
ゆ
)
く。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“振分”の解説
振分(ふりわけ)は、日本相撲協会の年寄名跡のひとつ。初代が四股名として名乗っていたもので、200年以上前にさかのぼる。2023年5月現在の所有者は妙義龍泰成。
(出典:Wikipedia)
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“振分”で始まる語句
振分髪
振分髮