“ふりわ”の漢字の書き方と例文
語句割合
振分100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大手前おおてまえ土塀どべいすみに、足代板あじろいたの高座に乗った、さいもん語りのデロレン坊主、但し長い頭髪かみのけひたい振分ふりわけ、ごろごろとしゃくを鳴らしつつ、塩辛声しおからごえして
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寛文かんぶん十年陰暦いんれき十月の末、喜三郎は独り蘭袋に辞して、故郷熊本へ帰る旅程にのぼった。彼の振分ふりわけの行李こうりの中には、求馬もとめ左近さこん甚太夫じんだゆうの三人の遺髪がはいっていた。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
歯朶しだを踏みしだき、木の根を足がかりに、たちまち、そこに、谷を覗きぐあいにえている一本の山桂の枝へ、油紙包ゆしづつみ振分ふりわけを肩にしたまま、ひょいと飛びついた。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)