“左近”の読み方と例文
読み方割合
さこん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「田中新兵衛……そうか、覚えておくことだ、あんなのが好んで暗殺をやる。去年、四条磧しじょうがわらで九条家の島田左近さこんを斬ったのも、まだ上らぬのじゃ」
「わざわざあんな歌をお歌いになるほど赤い鼻の人もここにはいないでしょう。左近さこんの命婦さんか肥後ひご采女うねめがいっしょだったのでしょうか、その時は」
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)
寛文かんぶん十年陰暦いんれき十月の末、喜三郎は独り蘭袋に辞して、故郷熊本へ帰る旅程にのぼった。彼の振分ふりわけの行李こうりの中には、求馬もとめ左近さこん甚太夫じんだゆうの三人の遺髪がはいっていた。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)