折入おりい)” の例文
丁度い幸いだ、貴公が来たのは妙だ、貴公の姿なりの拵えなら至極妙だ、少し折入おりいって頼みたいことがある、今に秋田穗庵が来るから穗庵から細かいことを
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ふみ子のことといえば……なあ元栄もとえい、わしは実は今日、あんたに少し折入おりいって話したいことがあって来たんだが、ちょっと別室を貸してもらえないかね……」
『ともかくも、わたくしから折入おりいっておねがいしてることにいたしましょう。しばらくおちくださいませ……。』
時下じか残暑ざんしょしのぎがたく候処そうろうところ益〻ますます御清穆ごせいぼく御事おんこと存上候ぞんじあげそうろう 却説さて 伯爵様はくしゃくさま折入おりいって直々じきじき貴殿きでん御意得度思召ぎょいえたきおぼしめし被在候間あらせられそうろうあいだ明朝みょうちょう御本邸ごほんてい御出仕可然ごしゅっししかるべく此段申進候このだんもうしすすめそうろう 早々そうそう頓首とんしゅ
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
去年の暮にも、隣家りんかの少年が空気銃を求め得て高く捧げて歩行あるいた。隣家の少年では防ぎがたい。おつかいものは、ただ煎餅せんべいの袋だけれども、雀のために、うちの小母おばさんが折入おりいって頼んだ。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あれを言ってはほか役人の身の上にもかゝわるだろうと深く思いすぐして、隠し立てを致すと却って為にならんぞ、定めし上役うわやくの者が其の方に折入おりいって頼んだ事も有るであろうが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これにつけて、わたくしひと是非ぜひあなたに折入おりいっておびしなければならぬことがございます。じつはこのおわびをしたいばかりに、今日きょうわざわざ神様かみさまにおたのみして、つれていただきましたような次第しだいで……。
相「折入おりいって殿様にお願いの事がございまして、罷出まかりいでました、うかお聞済きゝずみを願います」
明日あしたぐに、左様かえ、余りや過ぎるじゃないか、宜しい此の事ばかりはめられない、もう一日々々と引き広ぐ事は出来ないが、お前の出立ぜんわし折入おりいって頼みたい事があるが