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扛
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あ
ふりがな文庫
“
扛
(
あ
)” の例文
非常に重い物を引き
扛
(
あ
)
げるような息づかいをして、自分の身をそろ/\と真っすぐ起して、立ち上るのであった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
土手
(
どて
)
の
篠
(
しの
)
の
高
(
たか
)
さに
見
(
み
)
える
蜀黍
(
もろこし
)
は
南風
(
なんぷう
)
を
受
(
う
)
けて、さし
扛
(
あ
)
げた
手
(
て
)
の
如
(
ごと
)
き
形
(
かたち
)
をなしては
先
(
さき
)
から
先
(
さき
)
へと
動
(
うご
)
いて、
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
が
溯
(
さかのぼ
)
る
白帆
(
しらほ
)
を
靜
(
しづ
)
かに
上流
(
じやうりう
)
へ
押
(
お
)
し
進
(
すゝ
)
めて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
俗に之を
護法実
(
ごほうざね
)
と謂ふ。七日に至り東堂の庭に居らしめ、満山の衆徒盤環呪持すれば、此の人忽ち狂躍を示し、或は咆吼忿嗔して状獣属の如く、力大磐を
扛
(
あ
)
ぐ。
憑き物系統に関する民族的研究:その一例として飛騨の牛蒡種
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
營養不良にして身體日に衰ふる場合には、昨日は十五貫の物を
扛
(
あ
)
げ得たるに、今日は十四貫しか扛げ得ず、今日十四貫を扛げ得ても、明日は十三貫五百匁しか扛げ得ぬやうになる。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
目を天の方へ
扛
(
あ
)
げて膝まづいている金色の袍を着たシメオンが、主要人物である。
レンブラントの国
(新字新仮名)
/
野上豊一郎
(著)
▼ もっと見る
今、
朕
(
われ
)
汝の人と
為
(
な
)
りをみるに、
身体
(
むくろ
)
長大
(
たかく
)
、
容貌
(
かほ
)
端正
(
きらきらし
)
、力能く
鼎
(
かなへ
)
を
扛
(
あ
)
ぐ、猛きこと
雷電
(
いかづち
)
の如く、向ふ所かたきなく、攻むる所必ず勝つ。即ち知る、形は則ち我が子にて、実は即ち
神人
(
かみ
)
なり。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
据えし支への巨材をば槓杆用ひこぢ
扛
(
あ
)
げて、 260
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
何處
(
どこ
)
の
梢
(
こずゑ
)
も
白
(
しろ
)
い
物
(
もの
)
を
止
(
とゞ
)
めないで
疲
(
つか
)
れたやうに
濡
(
ぬれ
)
て
居
(
ゐ
)
た。
雪
(
ゆき
)
は
悉
(
こと/″\
)
く
土
(
つち
)
に
落
(
おち
)
ついて
畢
(
しま
)
つた。
其
(
その
)
落
(
おち
)
ついた
雪
(
ゆき
)
を
突
(
つ
)
き
扛
(
あ
)
げて
何處
(
どこ
)
の
屋根
(
やね
)
でも
白
(
しろ
)
い
大
(
おほ
)
きな
塊
(
かたまり
)
のやうに
見
(
み
)
えた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
おつぎも
其
(
そ
)
の
心部
(
しんぶ
)
に
見
(
み
)
える
蕾
(
つぼみ
)
であつた。
然
(
しか
)
し
其
(
その
)
蕾
(
つぼみ
)
はさし
扛
(
あ
)
げられないのみではなく
壓
(
おさ
)
へる
手
(
て
)
の
強
(
つよ
)
い
力
(
ちから
)
が
加
(
くは
)
へられてある。
勘次
(
かんじ
)
は
寸時
(
すんじ
)
もおつぎを
自分
(
じぶん
)
の
側
(
そば
)
から
放
(
はな
)
すまいとして
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
扛
漢検1級
部首:⼿
6画