トップ
>
慨然
>
がいぜん
ふりがな文庫
“
慨然
(
がいぜん
)” の例文
そこで、諸生徒は彼を鬼に仕立てて、意地の悪い張学正をおどしてやろうと思い立って、その相談を持ち込むと、彼は
慨然
(
がいぜん
)
として引き受けた。
中国怪奇小説集:11 異聞総録・其他(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
成は
慨然
(
がいぜん
)
としてついて来た。そして寝室の前にいくと周は石を取って入口の扉を打った。内ではひどく
狼狽
(
ろうばい
)
しだした。周はつづけざまに扉を打った。
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
「あれは一生の失敗だった」むしろ次郎吉は
慨然
(
がいぜん
)
と、「厭がるお前を無理にすすめ、一幕うったほどでもねえ、たいした儲けもなかったんだからな」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そういい聞かされて、兵隊たちへ酒をわかつと、みな感激して、涙とともに飲み、士気は
慨然
(
がいぜん
)
とふるい昂った。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孝孺は
終
(
つい
)
に
聚宝門外
(
しゅうほうもんがい
)
に
磔殺
(
たくさつ
)
せられぬ。孝孺
慨然
(
がいぜん
)
、絶命の
詞
(
し
)
を
為
(
つく
)
りて戮に
就
(
つ
)
く。時に年四十六、詞に曰く
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
既にして
慨然
(
がいぜん
)
として天下を以て自ら
任
(
にん
)
じ、
節
(
せつ
)
を
屈
(
くつ
)
して書を讀み、遂に
復古
(
ふくこ
)
の大
業
(
げふ
)
を成せり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
さも
慨然
(
がいぜん
)
と腕を組んだ富五郎のまえに、おさよは始めて
欲得
(
よくとく
)
のない母の純心を拾い戻した気がして、ながらく忘れていたいとおしい涙が、お艶に対してこみあげるのを覚えた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
少年はそぞろに往時を追懐すらむ、
慨然
(
がいぜん
)
としたりけるが
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
湯河原中佐は、
慨然
(
がいぜん
)
として、腕を
拱
(
こまね
)
いた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さき
子
(
こ
)
は、
慨然
(
がいぜん
)
として
金歯
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
主人の中川も
慨然
(
がいぜん
)
として
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
これで、敗北つづきの悲調の底からも、
慨然
(
がいぜん
)
として、奮起の色が沸いた。その熱した頃を見て、宋江が言った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無慈悲の辻斬り! かかる人鬼の潜行いたしますのも、ひとえに忠相不徳のなすところ——と
慨然
(
がいぜん
)
と燈下に腕をこまぬく越前守をのこして、陰を縫って忍び出た泰軒が、塀について角へかかった時!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と吐息して
慨然
(
がいぜん
)
たり。看護員は
頸
(
うなじ
)
を
撫
(
な
)
でて打傾き
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのとき、この
紛論
(
ふんろん
)
に、あいそをつかして、
慨然
(
がいぜん
)
と、席を突っ立った一将がある。
本多平八郎忠勝
(
ほんだへいはちろうただかつ
)
だった。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不幸
(
ふかう
)
の
僧
(
そう
)
はつく/″\
此
(
この
)
状
(
さま
)
を
眗
(
みまは
)
し、
慨然
(
がいぜん
)
として
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
法師は決して悲鳴をあげなかった、そんなにされても、時折、
慨然
(
がいぜん
)
と元気な声を張って、
為政者
(
いせいしゃ
)
の処置を罵り、そして手先になっている侍たちを、
嘲殺
(
ちょうさつ
)
するように笑ったりした。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
慨然
(
がいぜん
)
と、
篝火
(
かがり
)
を
焚
(
た
)
かせて、夜寒をしのいでいたが、ふと、うしろを振り向くと、そこには何の屈託も知らない小姓組のうちでも、年少な小つぶばかりが
焚火
(
たきび
)
に寄って、一月の寒さというのに
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、長大息すると、ありありと
慚愧
(
ざんき
)
の色をあらわして、
慨然
(
がいぜん
)
とこういった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の乱行を見て、
慨然
(
がいぜん
)
と、時には不満を
洩
(
も
)
らす者もあった——潮田、武林、幸右衛門など、勿論、その派の者だったので、口もきかずに、苦り切って、
艫
(
とも
)
の一と所に、顔を
反向
(
そむ
)
け合っていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
甘寧は、さッと、剣を抜き、起って、
慨然
(
がいぜん
)
と、
叱咤
(
しった
)
した。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
慨然
(
がいぜん
)
、恩を謝して、しかもそれには従わなかった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
慨然
(
がいぜん
)
と、ひとりの部将が、部下に不平をもらしていた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
陳宮は、彼の室を出ると
慨然
(
がいぜん
)
と長大息して——
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孔融
(
こうゆう
)
は、
慨然
(
がいぜん
)
として、府門を出ながら
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
慨然
(
がいぜん
)
と、山田八蔵は声を
昂
(
たか
)
めた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、ひとり
慨然
(
がいぜん
)
としていった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“慨然”の意味
《名詞》
憤り、嘆くさま。憂い嘆くさま。
心を奮い立たせるさま。
(出典:Wiktionary)
慨
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“慨”で始まる語句
慨
慨歎
慨嘆
慨世
慨歌
慨嘆然