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怯
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ひ
ふりがな文庫
“
怯
(
ひ
)” の例文
ですが、
閻魔樣
(
あちらさま
)
の
前
(
まへ
)
では、
氣
(
き
)
が
怯
(
ひ
)
けたものですから。——
實
(
じつ
)
は
此寺
(
こゝ
)
の
墓地
(
ぼち
)
に、
洲崎
(
すさき
)
の
女郎
(
やつ
)
が
埋
(
う
)
まつてるんです。へ、へ、へ。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又八は、この男の話を、全部がほんととは信じなかったが、それでも、何か圧倒されたような
怯
(
ひ
)
け
目
(
め
)
を感じ、自分も、
法螺
(
ほら
)
をふき返してやろうと思った。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
町を
行
(
ゆ
)
くにも、気の
怯
(
ひ
)
けるまで、郷里にうらぶれた渠が身に、——誰も知るまい、——ただ一人、秘密の境を探り得たのは、
潜
(
ひそか
)
に
大
(
おおい
)
なる誇りであった。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、わざと声の
甲
(
かん
)
を張って、
怯
(
ひ
)
け身を見せまいとしましたものの、思わず寒気に襲われて、ぞッと
襟
(
えり
)
すじをすくめた証拠には、お蝶の銀のかんざしが微かに光を砕いています。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
特に我慢のならぬのは、
呼吸苦
(
いきぐる
)
しいので、はあはあ耳に響いて、気の
怯
(
ひ
)
けるほど心臓の鼓動が
烈
(
はげ
)
しくなった。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「その宋江大人はもうこの地を嫌って、清風山へ去ってしまった。あれだってすべて
劉
(
りゅう
)
夫人の毒のある舌と
劉高
(
りゅうこう
)
の小心からおこったことだ。こっちで
怯
(
ひ
)
け
目
(
め
)
を持ついわれはない」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ清書と詠草の綴じたのが入っているばかりの
仕誼
(
しぎ
)
、わけを知ってるだけに、ひがみもあれば気が
怯
(
ひ
)
けるのに、目の前に異彩を放つ山河内の姫が馬車に積んで来た一件物
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さしていないと、妙に自分だけが、寝間着すがたでもいるように、気が
怯
(
ひ
)
けましていけません。……ひとつ、老公さまからお声をもって、帯刀おゆるしの儀をなんとか、仰ぎたいもので
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何だって
一旦
(
いったん
)
汚
(
けが
)
した
身体
(
からだ
)
ですから、そりゃおっしゃらないでも、私の方で気が
怯
(
ひ
)
けます。
木精(三尺角拾遺)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なん
)
だつて
一旦
(
いつたん
)
汚
(
けが
)
した
身體
(
からだ
)
ですから、そりやおつしやらないでも、
私
(
わたし
)
の
方
(
はう
)
で
氣
(
き
)
が
怯
(
ひ
)
けます。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
川の水を飲むのさえ気が
怯
(
ひ
)
けたほど
生命
(
いのち
)
が大事で、なぜまたと
謂
(
い
)
わっしゃるか。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
川
(
かは
)
の
水
(
みづ
)
を
飲
(
の
)
むのさへ
気
(
き
)
が
怯
(
ひ
)
けたほど
生命
(
いのち
)
が
大事
(
だいじ
)
で、
何故
(
なぜ
)
又
(
また
)
と
謂
(
い
)
はつしやるか。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この土地の新聞
一種
(
ひといろ
)
、買っては読めない境遇だったし、新聞社の掲示板の前へ立つにも、土地は狭い、人目に立つ、死出
三途
(
さんず
)
ともいう処を、一所に
徜徉
(
さまよ
)
った
身体
(
からだ
)
だけに、自分から気が
怯
(
ひ
)
けて
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何をどうして、お座敷へ置いて頂けようと思いますと、気が
怯
(
ひ
)
けて気が怯けて、口も満足利けませんから、何が気に入らないで、失礼な顔をすると、お思い遊ばすのも無理はない、なあ。……
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
怯
漢検準1級
部首:⼼
8画
“怯”を含む語句
卑怯
卑怯者
怯気
怯々
怯懦
気怯
物怯
勇怯
怯者
聞怯
御卑怯
怯勇
怯々然
心怯
氣怯
卑怯至極
悪怯
怯弱
怯気々々
怯惰
...