トップ
>
忌諱
>
きき
ふりがな文庫
“
忌諱
(
きき
)” の例文
それが非常に松村氏の
忌諱
(
きき
)
にふれた、松村氏は元来好い人ではあるが、どうも少し狭量な点があって、これを大変に怒ってしまった。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
徳川幕府の
忌諱
(
きき
)
に触れることを、意としないという大胆なる勇猛心が、心ある人をしてなるほどと感心せしめたのもその一つでしょう。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これ以上信長公の
忌諱
(
きき
)
に触れることのないようにと、一にも信長、二にも信長と、ただ服従と奉公一念をすすめる以外にないのであった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
陸軍省報道部将校の
忌諱
(
きき
)
に触れたためであつて、「時局にそはぬ」といふのが、その理由であつた。
「細雪」回顧
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
新聞紙の面を見れば政府の
忌諱
(
きき
)
に触るることは絶えて
載
(
の
)
せざるのみならず、官に一毫の
美事
(
びじ
)
あればみだりにこれを称誉してその実に過ぎ、あたかも
娼妓
(
しょうぎ
)
の客に
媚
(
こ
)
びるがごとし。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
是
(
こ
)
れ
何
(
なん
)
の
徳
(
とく
)
に
遵
(
したが
)
ふ
哉
(
や
)
。
此
(
こ
)
れ
其
(
その
)
尤
(
もつと
)
も
大
(
おほい
)
に
(五三)
彰明
(
しやうめい
)
較著
(
かうちよ
)
なる
者也
(
ものなり
)
。
近世
(
きんせい
)
に
至
(
いた
)
るが
若
(
ごと
)
き、
(五四)
操行
(
さうかう
)
不軌
(
ふき
)
、
專
(
もつぱ
)
ら
(五五)
忌諱
(
きき
)
を
犯
(
をか
)
し、
而
(
しか
)
も
終身
(
しうしん
)
逸樂
(
いつらく
)
し、
富厚
(
ふうこう
)
、
世
(
よ
)
を
累
(
かさ
)
ねて
絶
(
た
)
えず。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
離れは新太郎君の部屋と向き合いだから
青簾越
(
あおすだれご
)
しに能く見える。秀子さんと芳子さんは無論のこと、大姉さんの松浦夫人まで西川老の
忌諱
(
きき
)
に触れそうな短い海水着姿で通りかゝった。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
石川達三の小説が軍事的な意味から
忌諱
(
きき
)
に触れたのもこの年の始めであった。
昭和の十四年間
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
これも間接に山城河岸の父子をして
忌諱
(
きき
)
を知らしむる
媒
(
なかだち
)
となったであろう。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
放埒
(
ほうらつ
)
だけならまだしも助かるが、
殊更
(
ことさら
)
、幕府の
忌諱
(
きき
)
に触れるような所行ばかりする。政道に不平を抱いているかのように
推測
(
おしはか
)
られ、幕府の諸侯
取潰
(
とりつぶ
)
しの政策に口実を与えるような危険な状態になった。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「ふしぎにも命が助かった」と、
慄然
(
りつぜん
)
としたが、実にこの危地から彼を救った者は、さきに彼の
忌諱
(
きき
)
にふれて、陣後に残された
賈逵
(
かき
)
であった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それが非常に松村氏の
忌諱
(
きき
)
にふれた。松村氏は元来好い人ではあるが、狭量な点があって、これを大変に怒ってしまった。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
あたかも一家の至尊には近づくべからず、その
忌諱
(
きき
)
には
触
(
ふ
)
るべからず、俗にいえば殿様旦那様の御機嫌は損ずべからずとして、上下尊卑の
分
(
ぶん
)
を明らかにし、例の内行禁句の一事に至りては
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そのために出版業者は情報局の
忌諱
(
きき
)
に触れるものを出したら睨まれて潰されるかも知れないからぐにゃぐにゃになって、できるだけ情報局のお気に入るようなものになって存在しようとする。
婦人の創造力
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
わたくしはこの記事を作るに
許多
(
あまた
)
の
障礙
(
しょうがい
)
のあることを自覚する。それは現存の人に言い及ぼすことが
漸
(
ようや
)
く多くなるに従って、
忌諱
(
きき
)
すべき事に
撞着
(
とうちゃく
)
することもまた漸く
頻
(
しきり
)
なることを免れぬからである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
これが益〻当局の
忌諱
(
きき
)
に触れるところとなり、三僧を江戸に下して問責し、遂に沢庵を出羽上ノ山へ、玉室を奥州棚倉へ流刑に処した。時に寛永六年七月、沢庵は五十七歳であった。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忌
常用漢字
中学
部首:⼼
7画
諱
漢検1級
部首:⾔
17画
“忌”で始まる語句
忌
忌々
忌憚
忌日
忌避
忌味
忌嫌
忌々敷
忌中
忌服