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必死
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ひつし
けれど、かつて私の惡徳を惹き起したことのある
烈しい怒と
必死の反抗と同じあの感情に動かされて、私が
咄嗟に向きなほつた。
始め私し并びに
陸尺中間迄必死になりて戰ひし故一時は太田樣の方
引色に相成候然るに太田樣の
陸尺共豫々此多兵衞に
遺恨あり其故は
彼七右衞門と申者元嘉川家の陸尺
頭を
彼と
私とはおの/\
級の
撰手となつて、
必死に
優勝旗を
爭つた
事や、
其他さま/″\の
懷舊談も
出て、
時の
移るのも
知らなかつたが、ふと
氣付くと、
當家の
模樣が
何となく
忙がし
相で
兎も
角も、
目下の
急丈けを、かの
軍艦に
助けられて、
何處でもよい、
最近の
大陸地方に
送り
屆けて
貰つたならば、
其後は
必死に
奔走して、
如何にかして、
豫定の
期日までに
約束の
凖備を
整へて
兎角する
間に
今迄は、
其邊を
縱横に
暴廻つて
居つた
沙魚は、
其氣味惡き
頭を
南方に
向けて、
恰も
矢を
射るやうに
駛り
出した。
端艇も
共に
曳かれて、
疾風のやうに
駛るのである。
私はいよ/\
必死だ。