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御婆
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おばあ
ふりがな文庫
“
御婆
(
おばあ
)” の例文
「あの
御婆
(
おばあ
)
さんは
御姉
(
おあねえ
)
さんなんぞよりよっぽど落ち付いているのね。あれじゃ島田って人と
宅
(
うち
)
で落ち合っても、そう
喧嘩
(
けんか
)
もしないでしょう」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「しかしもし中っていなければ迷惑する人が
大分
(
だいぶ
)
出て来るでしょう。あの
御婆
(
おばあ
)
さんは
私
(
わたくし
)
と関係のない人だから、どうでも構いませんけれども」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
細君は何時もの通り書斎に
坐
(
すわ
)
っている彼の前に出て、「あの
波多野
(
はたの
)
って
御婆
(
おばあ
)
さんがとうとう
遣
(
や
)
って来ましたよ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
土間の上に下りていた
御婆
(
おばあ
)
さんが問題だったのです。御婆さんは二人いました。一人は立って、一人は
椅子
(
いす
)
に腰をかけていました。ただし両方ともくりくり坊主です。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
叔父はじゃ
御婆
(
おばあ
)
さんだけ残して、若いものが
揃
(
そろ
)
って出かける事にしようと云った。すると叔母が、では
御爺
(
おじい
)
さんはどっちになさるのとわざと叔父に聞いて、みんなを笑わした。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
しかし会ったら定めし
御婆
(
おばあ
)
さんになって、昔とはまるで違った顔をしていはしまいかと考える。そうしてその心もその顔同様に
皺
(
しわ
)
が寄って、からからに乾いていはしまいかとも考える。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは
此
(
この
)
本多
(
ほんだ
)
の
御婆
(
おばあ
)
さんが
夫
(
をつと
)
を
呼
(
よ
)
ぶ
聲
(
こゑ
)
であつた。
門口
(
かどぐち
)
抔
(
など
)
で
行
(
ゆ
)
き
逢
(
あ
)
ふと、
丁寧
(
ていねい
)
に
時候
(
じこう
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
をして、ちと
御話
(
おはなし
)
に
入
(
い
)
らつしやいと
云
(
い
)
ふが、
遂
(
つひ
)
ぞ
行
(
い
)
つた
事
(
こと
)
もなければ、
向
(
むか
)
ふからも
來
(
き
)
た
試
(
ためし
)
がない。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
浅草から牛込へ
遷
(
うつ
)
された私は、生れた
家
(
うち
)
へ帰ったとは気がつかずに、自分の両親をもと通り祖父母とのみ思っていた。そうして相変らず彼らを
御爺
(
おじい
)
さん、
御婆
(
おばあ
)
さんと呼んで
毫
(
ごう
)
も怪しまなかった。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
前
(
まへ
)
の
御婆
(
おばあ
)
さんが
八
(
やつ
)
つ
位
(
ぐらゐ
)
になる
孫娘
(
まごむすめ
)
の
耳
(
みゝ
)
の
所
(
ところ
)
へ
口
(
くち
)
を
付
(
つ
)
けて
何
(
なに
)
か
云
(
い
)
つてゐるのを、
傍
(
そば
)
に
見
(
み
)
てゐた三十
恰好
(
がつかう
)
の
商家
(
しやうか
)
の
御神
(
おかみ
)
さんらしいのが、
可愛
(
かあい
)
らしがつて、
年
(
とし
)
を
聞
(
き
)
いたり
名
(
な
)
を
尋
(
たづ
)
ねたりする
所
(
ところ
)
を
眺
(
なが
)
めてゐると
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それじゃ私に似てだいぶ
御婆
(
おばあ
)
さんね」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
婆
常用漢字
中学
部首:⼥
11画
“御”で始まる語句
御
御馳走
御前
御意
御座
御簾
御尤
御覧
御免
御堂