強盜がうたう)” の例文
新字:強盗
かすひとの有べきやはて不思議なる事もあるものだどうした譯の金なるやとやゝしばらく考へしがて見れば一文貰ひの苦紛くるしまぎれにきやつ切取きりとり強盜がうたう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
吹雪ふゞきに、なんつてそとようと、放火つけび強盜がうたう人殺ひとごろしうたがはれはしまいかとあやぶむまでに、さんざんおもまどつたあとです。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
馬鹿々々ばか/\しい。いてると、強盜がうたう徘徊はいくわいするといふので、非常線ひじやうせんつてたのであつた。
張旅人の懷中くわいちう胴亂どうらんに目を掛けて追剥おひはぎ強盜がうたうを爲んとするいのちらずめ己をたれとか思ふ東海道五十三次おとに聞えて隱れのない題目講だいもくかう講頭かうかしら水田屋藤八を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なんだ。強盜がうたうだ、情人いろだ。」とひさま、ドンとけて、はひつて、短銃ピストル差向さしむけて、一目ひとめるや、あ、とさけんで、若旦那わかだんなおもはず退すさつた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しづめておのれ今頃登山とざんなすからは強盜がうたうか但し又我が如き心願にて夜參りする者なるか何にもせよいぶかしと星明ほしあかりにすかし見れば旅人とおぼしく菅笠すげがさ眞白まつしろに光りたりこゝに又彼の石川安五郎は上新田村の無量庵むりやうあん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「あれ、強盜がうたうが、わたしを、わたしを。」
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)