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引留
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ひきと
ふりがな文庫
“
引留
(
ひきと
)” の例文
私
(
わたし
)
ゃ又今日は相川様でお前を
引留
(
ひきと
)
めて帰る事が出来まいと思ったから、御用は済ませて仕舞ったから、お前は
直
(
すぐ
)
に殿様のお迎いに
行
(
ゆ
)
っておくれ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女は
立膝
(
たてひざ
)
して何事をか訴へ
引留
(
ひきと
)
むるが如く
寄添
(
よりそ
)
へば、男は決然と立つて
袴
(
はかま
)
の
紐
(
ひも
)
を結び直しつつも心引かるる
風情
(
ふぜい
)
にて打仰ぐ女の顔をば上より
斜
(
ななめ
)
に見下ろしたり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一度、
駆下
(
かけお
)
りようとした紫玉の
緋裳
(
ひもすそ
)
は、此の船の激しく襲つたために、一度
引留
(
ひきと
)
められたものである。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
内儀に
訊
(
ただ
)
すと
果
(
はた
)
せるかな、僕が前日憲兵隊に
引留
(
ひきと
)
められている間、数名の将校が僕の室を占領し、昨夜は一同眠りもやらず徹夜し、今朝がたになってやっと引上げて行ったとの事でした。
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
誰も
引留
(
ひきと
)
めはしなかつたが、しかし余り
好
(
い
)
い心地もしなかつた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
昨夜吾妻橋を通り掛りますると、友之助が吾妻橋の中央より身を投げようと致す様子、狂気の如く相成って居ります故、
引留
(
ひきと
)
めて仔細を聞くと、御当家様へお出入になり
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
言
(
い
)
ひかけて——
最
(
も
)
う
足
(
あし
)
も
背
(
せ
)
もずらして
居
(
ゐ
)
る
高足駄
(
たかあしだ
)
を——ものを
言
(
い
)
ふ
目
(
め
)
で、
密
(
そつ
)
と
引留
(
ひきと
)
めて
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ミミが何かいおうとして前へ出るのを、僕は後ろから
引留
(
ひきと
)
めた。ニュース発表が中止されては困ると思ったからである。ミミは、僕の腕をぎゅっとつねると、イレネの方へつんと鼻を
聳
(
そび
)
やかした。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かういふ
時
(
とき
)
だ。
在郷軍人
(
ざいがうぐんじん
)
が、シヤツ
一枚
(
いちまい
)
で、
見事
(
みごと
)
に
轡
(
くつわ
)
を
引留
(
ひきと
)
めた。が、この
大
(
おほ
)
きなものを、せまい
町内
(
ちやうない
)
、
何處
(
どこ
)
へつなぐ
所
(
ところ
)
もない。
御免
(
ごめん
)
だよ、
誰
(
たれ
)
もこれを
預
(
あづ
)
からない。そのはずで。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とすた/\
小走
(
こばし
)
りに
駆
(
か
)
けて
来
(
き
)
て、
背後
(
うしろ
)
から
袂
(
たもと
)
を
引留
(
ひきと
)
めた、
山稼
(
やまかせ
)
ぎの
若
(
わか
)
い
男
(
をとこ
)
があつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
花売
(
はなうり
)
は
後姿
(
うしろすがた
)
のまま
引留
(
ひきと
)
められたようになって
停
(
とま
)
った。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
留
常用漢字
小5
部首:⽥
10画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出