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庇護
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かげ
我れ
兩親に
後れし
以來、
延びし
背丈は
誰の
庇護かは、
幼稚の
折の
心ろならひに、
謹みもなく
馴れまつはりて、
鈇石の
心うごかせしは、
搆へて
松野の
咎ならず
我が
心ろのいたらねばなり
盡さして
引入れし
利も
少なからず
世は
塞翁がうまき
事して
幾歳すぎし
朝日のかげ
昇るが
如き
今の
榮は
皆松澤が
庇護なるものから
喉元すぐれば
忘るゝ
熱さ
斯く
對等の
地位に
至れば
目の
上の
瘤うるさくなりて
獨りつく/″\
案ずるやう
徑十町を
手はじめに
引き
入れる
工夫算段はじいて
見ねば
知れぬものゝ
割りにも
合はぬ
品いくら
冠せて
上穗は
自己が
内懷中ぬく/\とせし
絹布ぞろひは
誰れ
故に
着し
物とも
思はずお
庇護に
建ちましたと
空拜みせし
新築の
二階造り
其の
詞は
三年先の
阿房鳥か