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帰洛
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きらく
ふりがな文庫
“
帰洛
(
きらく
)” の例文
旧字:
歸洛
にわかな
宣旨
(
せんじ
)
で
帰洛
(
きらく
)
のことの決まったのはうれしいことではあったが、
明石
(
あかし
)
の浦を捨てて出ねばならぬことは相当に源氏を苦しませた。
源氏物語:13 明石
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「もう案じるな。ここが助かるような身の武運なら、先々とても、首尾はよかろう。豊麻呂、いずれ
帰洛
(
きらく
)
のうえには、都からよい沙汰するぞ」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わしが都へ帰ったらきっと
清盛
(
きよもり
)
殿にとりなして、あなたも
帰洛
(
きらく
)
のかなうよう取りはからいます。それを頼みに苦しみに
堪
(
た
)
えて待っていてください。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
先日は失礼致
候
(
そうろう
)
。あれより予定の通り
阿波
(
あわ
)
の鳴門徳島を経て去月二十五日
帰洛
(
きらく
)
、二十九日御差立の
貴札
(
きさつ
)
昨夜
披見
(
ひけん
)
致候。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼は、その夜、夜を徹して俊寛に
帰洛
(
きらく
)
を勧めた。平家に対する謀反の第一番であるだけに、鎌倉にある
右府
(
うふ
)
どのが、僧都の御身の上を決して
疎
(
おろそ
)
かには思うまいといった。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
私はそれを知って凡てを準備するために山を降り一度
帰洛
(
きらく
)
しました。しかし時を移さず三週の後、私は再び京都を発って丸畑へと入ったのです。それは七月の三日でした。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
幕府の大世帯ができ上って、政治的に
帰洛
(
きらく
)
の見込みのなくなったところでは、都の文化に対する渇望が一層つよくならぬとはいえないであろう。その心が和歌を熱愛させる。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
そして、内蔵助の
帰洛
(
きらく
)
に
随行
(
ずいこう
)
して、
上方
(
かみがた
)
へ上って、しばらく京阪の間に足をとどめていた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
一年
(
ひととせ
)
、比野大納言、まだお
年若
(
としわか
)
で、京都
御名代
(
ごみょうだい
)
として、日光の
社参
(
しゃさん
)
に
下
(
くだ
)
られたを
饗応
(
きょうおう
)
して、
帰洛
(
きらく
)
を品川へ送るのに、
資治
(
やすはる
)
卿の
装束
(
しょうぞく
)
が、
藤色
(
ふじいろ
)
なる
水干
(
すいかん
)
の
裾
(
すそ
)
を
曳
(
ひ
)
き、
群鵆
(
むらちどり
)
を白く
染出
(
そめい
)
だせる
浮紋
(
うきもん
)
で
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いまは実を打ち明けるが、或る御使いをおびて、第一に紀州高野へ、次に
伯耆
(
ほうき
)
の大山寺、越前の平泉寺と、順次にめぐって、やがて
帰洛
(
きらく
)
もいそがねばならぬ身」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帰洛
(
きらく
)
の望みを永久に断たれながら暮していくことは、彼には堪えられなかった。二十間ばかり向こうの岸に、一つの岩があり、その下の水が、ことさらに深いように見えた。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
(赦文を読む)重科
遠流
(
おんる
)
を
免
(
めん
)
ず。早く
帰洛
(
きらく
)
の思いをなすべし。このたび
中宮
(
ちゅうぐう
)
ご産の
祈祷
(
きとう
)
によって非常のゆるし行なわる。しかる間、
鬼界
(
きかい
)
が島の
流人
(
るにん
)
、
丹波
(
たんばの
)
成経、
平
(
たいらの
)
康頼を
赦免
(
しゃめん
)
す。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
源氏は
浪速
(
なにわ
)
に船を着けて、そこで
祓
(
はら
)
いをした。
住吉
(
すみよし
)
の神へも無事に
帰洛
(
きらく
)
の日の来た報告をして、幾つかの
願
(
がん
)
を実行しようと思う意志のあることも使いに言わせた。自身は
参詣
(
さんけい
)
しなかった。
源氏物語:13 明石
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
帰洛
(
きらく
)
して、ひとまず軍務もかたづくと、こんどは、山積している内外の政務が、彼の裁断を待っている。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
のお
請状
(
うけじょう
)
の一通をおさめて、勅使の岡崎中納言の一行は、その翌日、すぐ
帰洛
(
きらく
)
の途についた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帰洛
(
きらく
)
の公卿行列を見送るとまもなく、浜松には、
師走
(
しわす
)
の風景が訪れていた。歳暮の市は、年ごとに
殷賑
(
いんしん
)
を呈した。ここにも、増大してゆく国の富強が見られ、むかしを知っている市の古老は
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“帰洛”の意味
《名詞》
都(特に京都)に帰ること。
(出典:Wiktionary)
帰
常用漢字
小2
部首:⼱
10画
洛
漢検準1級
部首:⽔
9画
“帰”で始まる語句
帰
帰途
帰依
帰宅
帰路
帰趨
帰来
帰京
帰還
帰省