尽力じんりょく)” の例文
旧字:盡力
ところが幸いにして郷里の肥下ひげ、伊藤、渡辺等の諸氏が非常に尽力じんりょくされて、五、六名でもって三百円の金を送ってくれたです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
そのゆうべ妾はついに藤井夫婦に打ち明けて東上の理由を語りぬ。さいは深く同情を寄せくれたり、藤井も共に尽力じんりょくせんと誓いぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
これほどよわり、いたわられている彼女が、ふたたび教職にもどれたのは、かげに早苗さなえ尽力じんりょくがあったのだ。早苗はいま、みさきの本村の母校にいた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
今度月給十一円でいよいよ羽生はにゅう在の弥勒みろくの小学校に出ることになったのは、まったく郁治の父親の尽力じんりょくの結果である。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「諸君、喜んでくれたまえ。明智君の尽力じんりょくで、とうとうこいつをつかまえたぞ。これが二十面相の首領だ。」
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
持ってるんですよ。僕もおよばずながら、同じ江戸っ子だから、なるべく長くご在校を願って、おたがいに力になろうと思って、これでも蔭ながら尽力じんりょくしているんですよ
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『またどんなに貴方あなた尽力じんりょくしようが駄目だめです、もう一ごんだってわたくしくちひらかせることは出来できません。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その次第しだいは前にいえるごとく、氏の尽力じんりょくを以ておだやかに旧政府をき、よっもって殺人散財さんざいわざわいまぬかれたるその功はにして大なりといえども、一方より観察をくだすときは
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
謙一は、いそがしい軍務のかたわらにもかかわらず、日夜、秘境の研究をつづけていたが、上川将軍の尽力じんりょくで、いよいよそれを決行することになった——というわけだった。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
これも小栗上野介おぐりこうずけのすけ等の尽力じんりょくに出でたるものにて、例の財政ざいせい困難こんなんの場合とて費用の支出ししゅつについては当局者の苦心くしん尋常じんじょうならざりしにもかかわらず、陸軍の隊長たいちょう等は仏国教師の言を
先生のきょ、同じく戒心かいしんあるにもかかわらず、数十の生徒せいとともな跣足せんそく率先そっせんして池水いけみずくみては門前に運び出し、泥塗満身でいとまんしん消防しょうぼう尽力じんりょくせらるること一霎いっしょう時間じかんよっかろうじてそのさいまぬかれたり。
あなたが非常に尽力じんりょくされたということですが、ほんとうですか、と訊いた。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
私は彼の思わせぶりが不服ではあったけれど、でも、ひたすら、彼の尽力じんりょくを頼む外はなかったのである。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ただ金これ万事を処するといったようなところに眼を着けて、金を貯える事に非常に奔走ほんそう尽力じんりょくして居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「その代わり僕は僕のできる限りにおいて、君のために尽力じんりょくするさ!」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
それでこの件についてはあくまで尽力じんりょくするつもりだから、どうかあしからず、などと半分謝罪的な言葉を並べている。校長は三時間目に校長室から出てきて、困った事を新聞がかき出しましたね。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日本にゆきて政府のために尽力じんりょくしたしと真面目まじめに語りたることあり。
記者はそのように考えて、岩瀬庄兵衛氏と早苗嬢に面会したのだが、両人ともこれは全く私立探偵明智小五郎氏の尽力じんりょくによるものであって、決して賊が約束を守ったわけではない。
黒蜥蜴 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それがためにラサ府の人々でセライ・アムチーにちょっとでも関係のあった人は皆恐れをいだいて、隠す事に非常に尽力じんりょくをしてまた賄賂わいろが盛んに行われて居るという話ですけれども、私は考えた。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)