寝起ねお)” の例文
旧字:寢起
と、ふとんもつくえも、よろいびつまでもここへもちこんできて、馬糞ばふんにおいのプンプンする中に、平気で毎日毎日寝起ねおきしていた。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
しょうちゃんは、寝起ねおきのいいでありましたけれど、おりには、きげんで、くこともありました。そんなとき、彼女かのじょは、うちわをってきて
遠方の母 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この少年たちが三角岳の研究所で寝起ねおきするのは、博士から、最新の科学技術の教えを受けるのが目的だった。しかしそのほかに、もっと少年たちが力を入れていることがあった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この汚穢おわいだらけな地面の上に、気をうしなって寝ていたかと思うと、いくらしゃアつくな蛾次郎でも、さすがにすこしあさましくなって、今朝けさ寝起ねおきは、あまりいい気持でなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
叔父はそのころ市にある色々な会社に関係していたようです。業務の都合からいえば、今までの居宅きょたく寝起ねおきする方が、二へだたった私の家に移るより遥かに便利だといって笑いました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その金で、小使いのおじさんと一ぱいやったという話を、二、三日して春吉君は、みんなからただおもしろく聞いた。先生はまだ独身で、小使室のとなりの宿直室で寝起ねおきしていられたのである。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
その理由の一つは、どんな大きな声で耳の割れるほどわめいてもよかったこと、それから今一つは子どもばかりで、二夜も三夜も屋外の仮小屋かりごやに、親を離れて寝起ねおき飲食するということであった。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ひとり、むらをはなれて、やま小舎こや寝起ねおきをして、をきり、すみをたいていた治助じすけじいさんは自然しぜんをおそれる、まちひとたちがなんとなくおかしかったのです。
手風琴 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その時分は一つへやによく二人も三人も机を並べて寝起ねおきしたものです。Kと私も二人で同じにいました。山で生捕いけどられた動物が、おりの中で抱き合いながら、外をにらめるようなものでしたろう。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
よっちゃんは、たくさんねむると、がひとりでにさめました。よっちゃんは、寝起ねおきがいいのであります。ぱっちりしたをあけて、しばらくあたりをまわしていました。
時計とよっちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
都合のいも悪いもなしにただぶらぶら古い家の中に寝起ねおきしている私に、こんな問いを掛けるのは、父の方が折れて出たのと同じ事であった。私はこの穏やかな父の前に拘泥こだわらない頭を下げた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
むらひとたちは不平ふへいをいいながら、ふたたびくわをるようになりましたが、しまからきた三にんおとこは、かえ旅費りょひもなく、いつまでも、やま小舎こや寝起ねおきをしていなければなりませんでした。