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宣
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なの
ふりがな文庫
“
宣
(
なの
)” の例文
この間も到着の武士どもは、一方の木戸から現われて、さも勇ましく
宣
(
なの
)
りをあげ、到着の帳へ名を記させ、別の木戸から出て行った。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と
地謡
(
じうたい
)
の調子で
宣
(
なの
)
りあげると、文女は迸りでるような声で
西林図
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「ナニ、京師飛鳥井家の
公達
(
きんだち
)
、右京次郎と
宣
(
なの
)
っているとな? ふうむこいつは眉唾ものだな。……で、同勢は幾百人とか云ったな?」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
で
安政
(
あんせい
)
年間には有名な水戸の天狗党が、諏訪の地を蹂躪した。又文久年間には、
高倉
(
たかくら
)
三位と
宣
(
なの
)
る公卿が、贋勅使として入り込んで来た。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
どうしたものかそれに応じて、浪人は
宣
(
なの
)
ろうとはしなかった。足もとをみつめて黙っている。しかし心ではいっているのであった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
身分を
宣
(
なの
)
って出でたならば、一方の将にも取り立てられたであろうが、出世に望みのない彼であった。一雑兵として終始して来た。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
既
(
すで
)
に殺されんとしました時、葉末と
宣
(
なの
)
る娘のため危いところを助けられ、夢見る心地で明け方の山路を
宛
(
あて
)
もなく逃げ惑っております時
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ううむ、そうか、いや当たった。いかにも俺は勾坂だ。勾坂甚内に相違ねえ。さあこう清く
宣
(
なの
)
ったからには、お前も素性を明かすがいい」
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お葉と
宣
(
なの
)
っている女猿廻しは、お八重にとってはよい加担者であった。でもお葉を加担者に引き入れたのは、全く偶然のことからであった。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その中の「
白毫会
(
びゃくごうかい
)
」という結社には、日本人も会員に加わってい、乞食の上州と
宣
(
なの
)
った人物も(本名は
富本雄之進
(
とみもとゆうのしん
)
とのこと)
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、正面から
宣
(
なの
)
って玄関へかかり、丁寧に主屋へ招じ入れられたのも、同じ日のことであり、お妻も東馬も招じ入れられた。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「この夜陰に何用あってここ辺りを
彷徨
(
さまよ
)
われるな? お見受け致せばお武家のご様子、藩士かないしはご直参か、ご身分ご姓名お
宣
(
なの
)
りなされい」
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
豪農諸角覚蔵の家へ、高阪郡兵衛と名を
宣
(
なの
)
り、一見して浪人と見える武士が、冬次郎をひそかに訪れたのは、同じこの日の午後のことであった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「誰だろう、こんな気の狂っている女に、殺生な子供なんかはらませたのは。……それはそうと盲目の殺人狂は、名を
宣
(
なの
)
らないということだの」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「名を
宣
(
なの
)
ることはいやなのだ。俺の本名を聞いたが最後、たいがいの武士は俺に対して、憎むか嘲るかするのだからな」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ところがこの頃どこから来たものか白法師と自分から名を
宣
(
なの
)
る奇怪な法師がこの山へ来て、『敵を愛せよ』というようなことを熱心に説法し出した。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お見受け申せばお二人ながら、どうして立派なお武家様、
私
(
わっち
)
ふぜいにお
宣
(
なの
)
りくださるのは、
勿体至極
(
もったいしごく
)
もございません。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
相手は与力、
官
(
かみ
)
役人そうな。では早く身分を
宣
(
なの
)
り、かえって助けを乞おうものと、そう
清々
(
すがすが
)
しく宣ったのであった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
で、
宣
(
なの
)
ろうとはしなかった。そういう浪人の困惑した態度を、相手の武士は
訝
(
いぶか
)
しそうに、しばらくの間見守っていたが、にわかに笑声をほころばせた。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
浪人桑名伊織と
宣
(
なの
)
った。怨みを受けて闇討ちされ、湖水に落ちましてござります。——偽わって事情をそう話した。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
また秀次が孫七郎と
宣
(
なの
)
って、三好
法印浄閑
(
ほういんじょうかん
)
なるものの、実子として家にいた頃から、幸蔵主は秀次を知っていた。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
片足を斬られた浪人の語るところによれば、紙帳を釣って、その中にいた五味左門と
宣
(
なの
)
る武士によって、この騒動が
惹
(
ひ
)
き起こされたということであった。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
現在人を殺して置いて、本名を
宣
(
なの
)
る膽の太さ、あらためて浪之助の怯えている心を、底の方から怯やかした。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「油売り松並荘九郎がともかくも美濃を平定し斎藤道三と
宣
(
なの
)
る浮世だ。そういう不思議もないとは云われぬ」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いつも不安でならなかった。北条内記の恐ろしい顔が、絶えず眼の先へチラツイていた。いっそ
宣
(
なの
)
り出て討たれようか、その方がどんなに気安いかしれない。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「そういう手前こそ何者じゃ! 厳寒であろうと深夜であろうと、用事あればどこへ参ろうと
随意
(
まま
)
じゃ!
他人
(
ひと
)
を咎めるに先立って自ら身分を
宣
(
なの
)
らっしゃい!」
紅白縮緬組
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いやいや決してそうではなく、半兵衛の人物にあやかりたいものと、そう思って金井半九郎と
宣
(
なの
)
り、武を練り文を修めている者で、本名は市川準五郎と云った。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いと易い事、
宣
(
なの
)
り申そう。義賊の張本
御嶽冠者
(
みたけかじゃ
)
の義理の弟の石川五右衛門、これが拙者の身分でござる」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それにお
宣
(
なの
)
りくだされても、
私
(
わっち
)
の方からは失礼ながら、宣り返すことが出来ませんので、重ね重ね勿体ない話、どうぞ今日はこのままでお別れ致しとう存じます。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何故というに、左門は、先夜、自分の本名を
宣
(
なの
)
って、薪左衛門の屋敷へ泊まったということであるから。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これには自分ながら愛想を尽かしたが、たとい身分を
宣
(
なの
)
ったところで、害になることもなかったので
鴉片を喫む美少年
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それにしても暁杜鵑之介と
宣
(
なの
)
った、美しい若衆は何者であろう? 何んのために自害したのであろう?
紅白縮緬組
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こうわたしは
呟
(
つぶや
)
きましたが、半僧半俗のそのお方が、
前
(
さき
)
の尾張中納言様、ただ今はご隠居あそばされて、
無念坊退身
(
むねんぼうたいしん
)
とお
宣
(
なの
)
りになり、西丸に住居しておいであそばす
怪しの者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「なんだ、貴様、乞食ではないか。……しかし、……本当の乞食ではないな。……
宣
(
なの
)
れ、身分を!」
怪しの者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「お米が俺を討つ気なら
宣
(
なの
)
って殺されてやるつもりよ。が、討つ気はよもあるめえ。二世さえ契った仲だからの。二世を契れば未来も夫婦! 俺を殺せば
良人
(
おっと
)
殺しだ!」
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
声も掛けず背後から、闇討ちするとは卑怯な奴、これ名を
宣
(
なの
)
れ、身分を云え! 本来ならばこう云うところ、しかし俺はそうは云わぬ。と云うのは見当が付いてるからよ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
親の敵を討つと
宣
(
なの
)
って、水品陣十郎を襲ったが、討ちもせず、討たれもせず、主水という武士は行方不明、澄江という娘は博労達に、どこかへ担がれて行ってしまったと
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そうして彼らの
長
(
おさ
)
たる者は必ず久田の名を
宣
(
なの
)
り、若い時には久田姫、老年となって久田の
姥
(
うば
)
と、こう呼ぶことに決っていた。そうして彼らの長となる者は必ず女と決っていた。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
身を隠すべき
隈
(
くま
)
も無かったか、間もなく二人とも
宣
(
なの
)
り出て、忠弥等と一緒に刑を受けた。
正雪の遺書
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
まず小源太が先に立ち、その後から蔵人が続き、正面の小部屋にはいった時には、常陸の
爺
(
おやじ
)
と
宣
(
なの
)
るところの、
葛
(
くず
)
の衣裳を着た老人も、その侍童の菊丸も、まだ寝ずに起きていた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
磔柱の郷介と
宣
(
なの
)
る凄じい強盗のあることは
私
(
わし
)
も
以前
(
まえ
)
から聞いては居たが、
貴郎
(
あなた
)
までを
郷介法師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「無礼! 誰だ!
宣
(
なの
)
らっしゃい! 拙者宇津木矩之丞、怨みを受ける覚えはない」
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
すると、或日一人の武士が、
飛田林覚兵衛
(
とんだばやしかくべえ
)
と
宣
(
なの
)
りながら、彼女の許へ訪ねて来て、孕独楽を譲ってくれるようにと云った。しかしあやめは商売道具だから、独楽は譲れないと断った。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
瞞
(
だま
)
し討ちとは卑怯な奴だ! 怨みがあるなら尋常に
宣
(
なの
)
って、真っ正面からかかって来い! 身分を云え! 名を宣れ! ……拙者の名は宮川茅野雄という、他人に怨みを受けるような
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「おい民弥さん民弥さん、往生して捕虜になるがいい。ジタバタ騒ぐと怪我をするぜ。捨てる神があれば助ける神がある。機会をお待ちよ機会をお待ちよ。
宣
(
なの
)
って上げよう猿若だよ!」
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「無礼な態度!
不埒
(
ふらち
)
千万! 見逃がしては置けぬ! 身分を
宣
(
なの
)
らっしゃい!」
紅白縮緬組
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それは
金限
(
かねもち
)
の御家人の伜で、宮河雪次郎と
宣
(
なの
)
る男で後年号を雪斎と云った。
赤格子九郎右衛門
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……隠すにもあたらぬ
宣
(
なの
)
ってやろう、
浪速
(
なにわ
)
の浪人
飛田林覚兵衛
(
とんだばやしかくべえ
)
! ……さてその時拙者は申した、貴殿の命を
殺
(
あや
)
めても、淀屋の独楽を拙者が取ると! ……その期が今こそめぐって来たのじゃ!
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
造酒が姓名を
宣
(
なの
)
ろうとするのを、急いで旅人は止めたものである。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「何人でござるな、お
宣
(
なの
)
りくだされ」すぐに中から声がした。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“宣(
宣下
)”の解説
宣下(せんげ)とは、天皇の命令を伝える公文書を公布することである。
(出典:Wikipedia)
宣
常用漢字
小6
部首:⼧
9画
“宣”を含む語句
宣言
宣教師
宣告
宣伝
御託宣
宣命
宣傳
宣示
本居宣長
託宣
院宣
名宣
宣長
万里小路宣房
宣言書
詫宣
宣叙調
宣給
宣王
惟宣
...