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たちう
ふりがな文庫
“
太刀打
(
たちう
)” の例文
なんとしても自転車では
太刀打
(
たちう
)
ちできない。しょい投げをくわされたように、みんながっかりしていることだけはまちがいなかった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
とても自分などが
太刀打
(
たちう
)
ちできる相手ではないと思うと、心が
萎
(
な
)
えたようになって、何をいうのも
覚束
(
おぼつか
)
ない気がするのだった。
キャラコさん:02 雪の山小屋
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それにもう一つ、一つの声ばかりが、周囲の叫び声や苦痛の声や、馬の
嘶
(
いなな
)
きや
太刀打
(
たちう
)
ちの音や、矢叫びの声を貫いて、彼の耳に聞こえて来た。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しかし
男
(
をとこ
)
を
殺
(
ころ
)
すにしても、
卑怯
(
ひけふ
)
な
殺
(
ころ
)
し
方
(
かた
)
はしたくありません。わたしは
男
(
をとこ
)
の
繩
(
なは
)
を
解
(
と
)
いた
上
(
うへ
)
、
太刀打
(
たちう
)
ちをしろと
云
(
い
)
ひました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
折角
(
せっかく
)
勇気を出したものの、これでは
到底
(
とうてい
)
太刀打
(
たちう
)
ちが出来ないと思った。しかしまだ間に合うかも知れない。「その子供というのはポントスのことじゃないのかネ」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
タダ僕ハ生理的ニ彼女ノヨウニアノ方ノ
慾望
(
よくぼう
)
が
旺盛
(
おうせい
)
デナク、ソノ点デ彼女ト
太刀打
(
たちう
)
チデキナイ。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「わからないです、我々の頭では、そういう先から先のことはわからないです、そういうことで、あなたと
太刀打
(
たちう
)
ちするだけの素養が、拙者にはないです、承るだけにしましょう」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
堂々、
太刀打
(
たちう
)
ちするには、言葉だけでは、だめなんだ。手紙だけでは、だめなんだ。私は、いまは、その興覚めの世のからくりを知った。芸術界も、やっぱり同じ生活競争であった。
春の盗賊
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
人中の——しかも十三、四歳から水茶屋にもいて、苦労にもまれ、
戯
(
ざ
)
れ男たちに
揉
(
も
)
まれてきたお袖と、型どおりな、やしき育ちのお縫とでは、ほとんど、
太刀打
(
たちう
)
ちにならないのである。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おれたちじゃとても
太刀打
(
たちう
)
ちができねえから、やっぱりストキに頼むんだね」
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
それを聞くと私は一寸
太刀打
(
たちう
)
ちが出来ない気がして、やや
心
(
こころ
)
臆
(
おく
)
するを覚えた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その
太刀打
(
たちう
)
ちがどうなつたかは、
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げるまでもありますまい。わたしの
太刀
(
たち
)
は二十三
合
(
がふ
)
目
(
め
)
に、
相手
(
あひて
)
の
胸
(
むね
)
を
貫
(
つらぬ
)
きました。二十三
合
(
がふ
)
目
(
め
)
に、——どうかそれを
忘
(
わす
)
れずに
下
(
くだ
)
さい。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
最早や
如何
(
いか
)
なる御馳走も受け付けないで、
専
(
もっぱ
)
らボリスの胃袋を肥やす結果に終ったが、それでも酒だけは、貞之助が最後まで奮闘してキリレンコやウロンスキーと
太刀打
(
たちう
)
ちをした。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
どうにも
太刀打
(
たちう
)
ちのできない相手だということをよく心得きっているから、そこはなかなか食えないもので、癇癪を起して先発する途端に、庄公という若い衆に堪忍役を申し含めて
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そうでもありましょう。しかし、快速をもった敵機に対して、性能ともに劣った九二式や九三式で、
太刀打
(
たちう
)
ちが出来る道理がありません。帝都の撃滅は、予想以外に深刻であります」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けれど、
軍配
(
ぐんばい
)
をもって
陣頭
(
じんとう
)
に立てば、
孫呉
(
そんご
)
のおもかげをみるごとくであり、
帷幕
(
いばく
)
に計略をめぐらせば、
孔明
(
こうめい
)
も三
舎
(
しゃ
)
を避ける小幡民部が、
太刀打
(
たちう
)
ちが
下手
(
へた
)
だからといっても、けっしてなんの恥ではない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
太刀打
(
たちう
)
ちができる相手じゃあがあせん。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
刀
常用漢字
小2
部首:⼑
2画
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
“太刀”で始まる語句
太刀
太刀先
太刀風
太刀魚
太刀筋
太刀取
太刀疵
太刀傷
太刀捌
太刀影