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夢現
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ゆめうつゝ
ふりがな文庫
“
夢現
(
ゆめうつゝ
)” の例文
まるで汽車に揺られつゝ其重い響を何処かに聞きながら半ば睡つて居る時の様な気持で、
夢現
(
ゆめうつゝ
)
の間に不安な一夜を明かした。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
それが皆、夜風に靡く灯の光で、或は明るく或は暗く、殆ど
夢現
(
ゆめうつゝ
)
を分たない氣色で、何故かもの凄く見え渡つて居りました。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
もう
夜
(
よ
)
が明けたのか、誠や聖人に夢なしとか、心の清らかなる人に夢のあるべき筈はない、我は
夜
(
よる
)
となく昼となく
夢現
(
ゆめうつゝ
)
に心を痛め、さながら五臓を
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
自分は何となく自ら進んで其の危難に
近
(
ちかづ
)
きたいやうな
夢現
(
ゆめうつゝ
)
の心持になつた。
石筆
(
せきひつ
)
や鉛筆なぞを口の
端
(
はた
)
まで持つて行つては、自分から驚いて泣き出した事があつた。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何事ぞ、眞の武士の
唇頭
(
くちびる
)
に
上
(
の
)
ぼすも
忌
(
いま
)
はしき一女子の色に迷うて、
可惜
(
あたら
)
月日
(
つきひ
)
を
夢現
(
ゆめうつゝ
)
の境に
過
(
すご
)
さんとは。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
しかし、
何
(
ど
)
うも
済
(
す
)
みません、
第
(
だい
)
一
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
もありませんのに、
奥州
(
おうしう
)
二
本松
(
ほんまつ
)
と
云
(
い
)
ふのは、
昔話
(
むかしばなし
)
や
何
(
なに
)
かで
耳
(
みゝ
)
について
居
(
ゐ
)
たものですから、
夢現
(
ゆめうつゝ
)
に
最
(
も
)
う
其処
(
そこ
)
を
通
(
とほ
)
つたやうに
思
(
おも
)
つたんです。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
知
(
し
)
らぬことゝて
取乱
(
とりみだ
)
せし
姿
(
すがた
)
見
(
み
)
られしか、
見
(
み
)
られしに
相違
(
さうゐ
)
なしと、
面
(
かほ
)
俄
(
にわか
)
にあつくなりて、
夢現
(
ゆめうつゝ
)
うつむけば、
細
(
ほそ
)
く
清
(
きよ
)
しき
男
(
をとこ
)
の
聲
(
こゑ
)
に、これは
其方
(
そなた
)
さまのにや
返上
(
へんじやう
)
せんお
受取
(
うけとり
)
なされよと
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夢現
(
ゆめうつゝ
)
の境で、橇の
鐸
(
すゞ
)
の音が聞えたやうに思つたが、それが実際に聞えたのだか、そんな夢を見たのだか分らなかつた。そのうち忽ち草庵の扉を叩く音がしたので、はつきり目が覚めた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
幾分位
(
いくら
)
眠
(
ねむ
)
つたか
知
(
し
)
らぬが
夢現
(
ゆめうつゝ
)
の
中
(
うち
)
に
次
(
つぎ
)
のやうな
談話
(
はなし
)
が
途斷
(
とぎ
)
れ/\に
耳
(
みゝ
)
に
入
(
はひ
)
る。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それが皆、夜風に
靡
(
なび
)
く灯の光で、或は明るく或は暗く、殆ど
夢現
(
ゆめうつゝ
)
を分たない気色で、何故かもの凄く見え渡つて居りました。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勿論弟子はすぐに良秀に手をかけて、力のあらん限り搖り起しましたが、師匠は猶
夢現
(
ゆめうつゝ
)
に獨り語を云ひつゞけて、容易に眼のさめる氣色はございません。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勿論弟子はすぐに良秀に手をかけて、力のあらん限り揺り起しましたが、師匠は猶
夢現
(
ゆめうつゝ
)
に
独
(
ひと
)
り
語
(
ごと
)
を云ひつゞけて、容易に眼のさめる気色はございません。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
又獄卒は、
夢現
(
ゆめうつゝ
)
に何度となく、私の眼に映りました。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
又獄卒は、
夢現
(
ゆめうつゝ
)
に何度となく、私の眼に映りました。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夢
常用漢字
小5
部首:⼣
13画
現
常用漢字
小5
部首:⽟
11画
“夢”で始まる語句
夢
夢中
夢寐
夢幻
夢心地
夢想
夢路
夢殿
夢見
夢魔