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塗下駄
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ぬりげた
ふりがな文庫
“
塗下駄
(
ぬりげた
)” の例文
錆茶
(
さびちゃ
)
の
塗下駄
(
ぬりげた
)
。十六、七の少女だった。少女はその小脇に
風呂敷包
(
ふろしきづつ
)
みを抱えていた。そして、少女は何かに追い立てられているように、急いでいた。
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
彼は黄色い毛糸のジャケツを着て、ものものしくゲエトルをつけ、女ものらしい
塗下駄
(
ぬりげた
)
をはいていた。
彼は昔の彼ならず
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その二は
一樹
(
いちじゅ
)
の
垂楊図
(
すいようず
)
の上部を限る
霞
(
かすみ
)
の
間
(
あいだ
)
より糸の如きその枝を吹きなびかす処、
大
(
だい
)
なる
菱形
(
ひしがた
)
の
井筒
(
いづつ
)
を中央にして前髪姿の若衆
縞
(
しま
)
の
着流
(
きなが
)
し羽織
塗下駄
(
ぬりげた
)
の
拵
(
こしら
)
へにて
居住
(
いずま
)
ひ
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
スタスタと板縁から土間へ出て、
塗下駄
(
ぬりげた
)
を突っかけ、
行乞
(
ぎょうこつ
)
の深笠をとって
頭
(
かしら
)
につけた。そして、みずから戸を開け、みずから後を閉めて、万吉が何と口をさし挟むいとまもなく
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
されば
山路
(
やまみち
)
のなやみなく、高き
塗下駄
(
ぬりげた
)
の見えがくれに長き
裾
(
すそ
)
さばきながら来たまいつ。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
たとえば
塗下駄
(
ぬりげた
)
や、帯や、
蛇
(
じゃ
)
の
目
(
め
)
傘
(
がさ
)
や、刀の
鞘
(
さや
)
や、
茶托
(
ちゃたく
)
や塗り盆などの漆黒な斑点が、適当な位置に適当な輪郭をもって置かれる事によって画面のつりあいが取れるようになっている。
浮世絵の曲線
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
十九か
二十歳
(
はたち
)
ぐらいの見るからに
初々
(
ういうい
)
しい
銀杏髷
(
いちょうまげ
)
の小柄な女であった。
所謂
(
いわゆる
)
丸ボチャの愛嬌顔で、派手な
紺飛白
(
こんがすり
)
の
袷
(
あわせ
)
に、花模様の赤
前垂
(
まえだれ
)
、素足に赤い鼻緒の
剥
(
は
)
げチョケた
塗下駄
(
ぬりげた
)
を穿いていた。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
されば山路のなやみなく、高き
塗下駄
(
ぬりげた
)
の見えがくれに長き
裾
(
すそ
)
さばきながら来たまひつ。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
いきりの
立
(
た
)
つ、
温
(
あたゝか
)
いのを
二串
(
ふたくし
)
取
(
と
)
つて、
例
(
れい
)
の
塗下駄
(
ぬりげた
)
をカタ/\と——
敷居際
(
しきゐぎは
)
で
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
母
(
はゝ
)
ぢや
人
(
びと
)
のを
故
(
わざ
)
と
穿
(
は
)
いて
來
(
き
)
たらしい、
可愛
(
かはい
)
い
素足
(
すあし
)
に
三倍
(
さんばい
)
ほどな、
大
(
おほき
)
な
塗下駄
(
ぬりげた
)
を
打
(
ぶ
)
つけるやうに、トンと
土間
(
どま
)
へ
入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
て、
七輪
(
しちりん
)
の
横
(
よこ
)
へ
立
(
た
)
つた、十一二だけれども、
九
(
こゝの
)
ツぐらゐな、
小造
(
こづく
)
りな
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
塗
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
駄
常用漢字
中学
部首:⾺
14画
“塗”で始まる語句
塗
塗籠
塗炭
塗抹
塗師
塗盆
塗付
塗料
塗骨
塗師屋