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ふりがな文庫
“
品
(
もの
)” の例文
どこへ入れておいたら一番安全かと、寶石ずきが、素晴らしい寶石でも手に入れたときのやうに貴重な
品
(
もの
)
とした。そこで、
香箱
(
かうばこ
)
の中へしまふことにした。
桑摘み
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「予は自ら誓えり、世を終るまで鏡を見じと、
然
(
しか
)
り断じて鏡を見まじ。否これを見ざるのみならず、今
思出
(
おもいいだ
)
したる鏡という
品
(
もの
)
の名さえ、務めて忘れねばならぬなり。」
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
否
(
いいえ
)
、どう致しやして。家で
造
(
こしら
)
えやした
味噌漬
(
みそづけ
)
で、召上られるような
品
(
もの
)
じゃごわせんが」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
露店
(
ろてん
)
が並んで立ち食いの客を待っている。売っている
品
(
もの
)
は言わずもがなで、食ってる人は大概
船頭
(
せんどう
)
船方
(
ふなかた
)
の
類
(
たぐい
)
にきまっている。
鯛
(
たい
)
や
比良目
(
ひらめ
)
や
海鰻
(
あなご
)
や
章魚
(
たこ
)
が、そこらに投げ出してある。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「君の
品
(
もの
)
なんぞ出さなくったって
好
(
い
)
い。何しろ、
樺太
(
からふと
)
で、蟹の缶詰で
一儲
(
ひともう
)
けしようと思ったのだが——蟹はあるが、缶の方がうまくいかなかったんだ。」
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
書斎に
品
(
もの
)
あり、
衣兜
(
かくし
)
に
容
(
い
)
るるを忘れたりとて既に玄関まで
出
(
い
)
でたる身の、一人書斎に引返しつ。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「奥様、これは御恥しい
品
(
もの
)
でごわすが、ほんの御印ばかりに」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
父は
巻舌
(
まきじた
)
で、晩酌をやりながら、そんなことを言った。法印さんは、そんな
品
(
もの
)
も見る眼があったのだろう。
旧聞日本橋:23 鉄くそぶとり(続旧聞日本橋・その二)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
実はね、お爺さん、宵からお目に掛っていた客が、帰りがけにこの橋から
放生会
(
ほうじょうえ
)
をなすった
品
(
もの
)
があるんです。——
昨日
(
きのう
)
はお雛様のお節句だわね——その蛤と栄螺ですって。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……お亡くなんなすってから、あと、直ぐに大層な値になって、近常さんの
品
(
もの
)
は、そうなると、お国自慢よ。
煙管
(
きせる
)
一つも他国へ取られるな、と皆
蔵込
(
しまいこ
)
むから、余計値が出るでしょう。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どうにかなりかけた藤木の
品
(
もの
)
ばかりでなく、田舎からはこんで来た義妹の家財は一物も満足なのはなく、一緒にして
鞄
(
かばん
)
へ入れておいてもらった両家の
家禄奉還金
(
かろくほうかんきん
)
の書類も灰になってしまっていた。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「さあ、もう可いからお泣きでないよ。おお、
泣止
(
なきや
)
みましたね、
好
(
い
)
い
児
(
こ
)
好い児。何を御褒美に上げようかしら、ああ
良
(
い
)
い
品
(
もの
)
があったっけ、
姉様
(
ねえさん
)
とさあ一所に
光来
(
おいで
)
。」と手を
曳
(
ひ
)
きて家に
入
(
い
)
り
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
香箱
(
かうばこ
)
のなかには、
一個
(
ひとつ
)
ひとつ、なにやら子供心に、身にとつて大事な、手離しがたいものが入れてあつて、毎日蓋をあけると、無言に對話してゐた馴染ぶかい
品
(
もの
)
に、
居處
(
ゐどころ
)
を
明
(
あ
)
けさせたのだから
桑摘み
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
鼓村師の独特の爪でなければ——だが、鼓村師のはまた格別な
品
(
もの
)
だ。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“品”の意味
《名詞》
(しな)人が使用したり消費する対象。もの。品物。
(ヒン)人としての資質。品格。
(出典:Wiktionary)
品
常用漢字
小3
部首:⼝
9画
“品”を含む語句
上品
物品
品物
一品
品質
贓品
玩弄品
品評
下品
手品
作品
品行
不品行
記念品
手遊品
此品
品位
品格
品々
手品師
...