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周圍
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あたり
ふりがな文庫
“
周圍
(
あたり
)” の例文
新字:
周囲
『ア、
家
(
え
)
に
居
(
え
)
だのでヤなかつたけな。』と言つて、ムクリと身起した。それでもまだ得心がいかぬといつた樣に
周圍
(
あたり
)
を見𢌞してゐたが
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
卯平
(
うへい
)
は
清潔好
(
きれいずき
)
なのでむつゝりとしながら
獨
(
ひとり
)
で
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
には
草箒
(
くさばうき
)
で
土間
(
どま
)
の
軒
(
のき
)
の
下
(
した
)
を
掃
(
は
)
いては
鷄
(
とり
)
が
足
(
あし
)
の
爪
(
つめ
)
で
掻
(
か
)
き
亂
(
みだ
)
した
庭葢
(
にはぶた
)
の
周圍
(
あたり
)
をも
掃
(
は
)
きつけて
置
(
お
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『チヨツ
莫迦
(
ばか
)
にしてるよ。松公はもと/\
此方
(
こつち
)
の弟子ぢやないか。其をお前が引張込んで、
散々
(
さんざ
)
ツぱら
巫山戯
(
ふざけ
)
た
眞似
(
まね
)
をして置いて……』と
未
(
ま
)
だ何か毒づかうとしたが、急に
周圍
(
あたり
)
に氣がつくと
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
周圍
(
あたり
)
には誰も居ません。親分に遠慮して皆な外へ出て了つたのでせう。亥太郎の執念深さうな青い眼だけが、お珊の美色に
絡
(
から
)
み付くやうに、その顏から、
頸筋
(
くびすぢ
)
から、縛られた胸を見詰めて居ります。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さうだとも、
錢
(
ぜね
)
でも
何
(
なん
)
でも
呉
(
く
)
んなけりや、よこせつちばえゝんだ、
錢
(
ぜね
)
ねえなんちへば
米
(
こめ
)
でも
麥
(
むぎ
)
でも
奪取
(
ふんだく
)
つてやれ」
爺
(
ぢい
)
さんは
周圍
(
あたり
)
へ
唾
(
つば
)
を
飛
(
と
)
ばした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
彼の
白襯衣
(
ホワイト・シャツ
)
の汚れ目も、また
周圍
(
あたり
)
構はぬ高聲で話しかける地方人の癖をも、私は決して不快に思はなかつた。二人は思出す儘に四、五人の舊友に就いて語つた。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
立
(
た
)
ちながら
袴
(
はかま
)
の
裾
(
すそ
)
を
踏
(
ふ
)
んで
蹌踉
(
よろ
)
けては
驚
(
おどろ
)
いた
容子
(
ようす
)
をして
周圍
(
あたり
)
を
見
(
み
)
るのもあつた。
恁
(
か
)
ういふ
作法
(
さはふ
)
をも
見物
(
けんぶつ
)
の
凡
(
すべ
)
ては
左
(
さ
)
も
熱心
(
ねつしん
)
らしい
態度
(
たいど
)
で
拜殿
(
はいでん
)
に
迫
(
せま
)
つて
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『大きくなつたどもせえ。』と言つた忠太の聲が大きかつたので、
周圍
(
あたり
)
の人は皆此方を見る。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
下宿料だけでも二月分で二十二圓! 少くとも五圓は出すだらうと思つたのに、と聞えぬ樣にブツ/\云つて、チヨッと舌打したが、氣が附いた樣に急がしく
周圍
(
あたり
)
を見𢌞した。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
周圍
(
あたり
)
を見ると、校長も古山も何時の間にか腰を掛けて居る。マダム馬鈴薯はまだ不動の姿勢をとつてゐる。女教師ももとの通り。そして四人の目は皆、何物をか期待する樣に自分に注がれて居る。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
周
常用漢字
小4
部首:⼝
8画
圍
部首:⼞
12画
“周”で始まる語句
周囲
周章
周
周防
周旋
周匝
周章狼狽
周瑜
周到
周泰