台風たいふう)” の例文
あるとし台風たいふうおそったとき、あやうくこぎになろうとしたのを、あくまで大地だいちにしがみついたため、片枝かたえだられてしまいました。
曠野 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だが、地の利と、嶮岨けんその安全感から、この人々は、台風たいふう圏外けんがいにいる気もちで、至極、悠暢ゆうちょうにかまえこんでいたらしい。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やけ野原のはらを、東助とうすけとヒトミが、汗をたらしながら、さまよっていた。夏のおわりに近い日の午後のことで、台風たいふうぎみのくもり空に、雲の行き足がだんだん早くなっていく。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大風はつのり募りて暴風となり、台風たいふうとなり、開闢かいびゃく以来、記録に存せざる狂風となれり。
暗黒星 (新字新仮名) / シモン・ニューコム(著)
台風たいふう、喬之助はしずかに頭を下げた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ふだんなら、ここを自転車じてんしゃや、自動車じどうしゃとおって、ゆめにもこんなあそびがされるとはおもわれなかったのです。まったく台風たいふうのおかげでした。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おもしろそうだけれどね、台風たいふうが来たら吹きとびやしないかね。あたしゃ心配だよ」
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
台風たいふうは、晩方ばんがたまでにったとみえて、よるは、ほしが、きらきらとかがやきました。そして、めっきりすずしくなりました。
高い木とからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
台風たいふうが来たので、骸骨館探検は四日ほど中休みをした。
骸骨館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「そうかい、そんなにすごいかい。けれど、台風たいふうがくるのは、たいていあちらのみなみほうからだぜ。そのときは、おおきなかぜいて、なみたかいのだよ。」
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくのおとうさんがくるんだもの、昨夜ゆうべも、いまごろおとうさんが、おとおりだといって、おかあさんは、お仏壇ぶつだん燈火あかりをあげられた。ぼくも、んだら台風たいふうになるよ。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんなことうそさ、あたたかい空気くうきつめたい空気くうき作用さよう台風たいふうができるんだと、学校がっこう先生せんせいがいっていたよ。」
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おじいさん、台風たいふうだろうかね。」と、じゅうちゃんはきました。
高い木とからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いよいよ、台風たいふうが、やってきたかな。」
風七題 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なるほど、台風たいふうがきますね。」
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)