反省はんせい)” の例文
なぜというに、わたしがこんなにたびたび不幸な目に会うのは、みんな自分の過失かしつから来ると思って、反省はんせいするようになったからである。
土井は京都へついてからも、何か自分でおこつてゐるのぢやないかと反省はんせいしてみたくらゐ、執拗しつえうに京都行を主張したのであつた。
(新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
のようなもので、これがよいとおもふようでは、あなたがた文學ぶんがくあぢはちからりないのだと反省はんせいしてもらはねばなりません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
どこかに故障こしょうがあったにちがいなかろう? 自分じぶんちからでできることは、よく反省はんせいして、注意ちゅういおこたってはならない——。
いちじゅくの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
聡明そうめいなるそなたにこれ以上いじょう多言たごんようすまいと思う。せつに、そなたの反省はんせいをたのむ。そしてそなたが祖父そふ機山きざんより以上いじょう武士もののふぎょうをとげんことをいのる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一口に云へば、一人の男として私を服從に強制しようとしてゐたのだ、彼がそんなに辛抱強く私の強情がうじやうを忍び、反省はんせいと改悔に長い時間を許したのは、たゞ敬虔な基督教徒としてゞあつた。
ロミオは言葉ことばおだやかに、この爭端さうたんとるらぬよし反省はんせいさせ、ふたつには殿とののおいかりおもひやれ、と聲色せいしょくやはらげ、ひざげて、さま/″\にまうしましたなれども、中裁ちゅうさいにはみゝしませぬチッバルト
彼女かのぢよくゐはいつも反省はんせいわすれてゐたのである。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
かれは、自分じぶんのまちがった行為こういづくと、すぐにこころから反省はんせいするじゅん少年しょうねんであったのです。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
民部のかんがえかたは、どういう絶望ぜつぼうへきつかっても、けっしてくるうことがなかった。情熱じょうねつの一方に走りがちな蔦之助つたのすけ小文治こぶんじは、それに、反省はんせいされはげまされて、ふたたび馬のにとび乗った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど、そんなことで、このおとこは、反省はんせいするような人間にんげんではなかったのであります。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)