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加担
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ふりがな文庫
“
加担
(
かたん
)” の例文
旧字:
加擔
ところが、相手という者が、お綱の恋する弦之丞——ときいて、彼の心がにわかに変ったのである、すぐに
加担
(
かたん
)
する気になった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「大石殿のことまでは、われら風情には力及ばぬ。ただ兄として弟がそんな大事に
加担
(
かたん
)
するのを見てはおられぬと申すのじゃ」
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「がんりき、貴様は、南条、五十嵐の一味が容易ならぬ陰謀を企てていることを知って彼等に
加担
(
かたん
)
しているのか、知らずして働いているのか」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
従兄弟の為めに多少尽すことが出来たと思って満足に感じたが、こんな
陰謀
(
いんぼう
)
に
加担
(
かたん
)
していると兎角後ろ暗い。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
宇治はその時はっきりと逃亡の決意をかためていたのだ。だから最も逃亡に
加担
(
かたん
)
しやすい下士官を選ぶべきであった。それにも
拘
(
かかわ
)
らず彼は高城をえらんでしまった。
日の果て
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
▼ もっと見る
「お藤が、おれに
加担
(
かたん
)
してお艶をかどわかしたために、刀をうばいそこねたといってな、左膳め、先日から
猛
(
たけ
)
りたっておるのだから、そのつもりで年寄り役にとりしずめてくれ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「待ってくれ、八。そう言うと仙台様が磯の安松に
加担
(
かたん
)
でもしたように聞えるが——」
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
西か、東か、いずれへ
加担
(
かたん
)
するかの去就二途の迷いは、おそらく全国的なものであろう。ただ美濃尾張は、その縮図にすぎない。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この二人が徳川へ
加担
(
かたん
)
したからと言って、長州へ味方をしたからと言って、天下の大勢にはいくらの影響もあるものでないことは、二人ともよく知っているはずであります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その前から、新免伊賀守の手について、浮田方へ
加担
(
かたん
)
した者とわかっているゆえ、この宮本村まで追いつめて来たところじゃ。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「すでに兄上こそ、以前ここへお訪ねあった日野朝臣などと、密々、
宮方
(
みやかた
)
加担
(
かたん
)
の
盟
(
めい
)
をむすんでおられたのでございましょうが」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なんとなれば、この播磨、備前などは、笠置に火の手が揚ッたさい、宮方
加担
(
かたん
)
の色をみせた武族がかなりあった地方なのだ。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、彼は、このたびの出軍に際して、そのいずれに
加担
(
かたん
)
するも、
下策
(
げさく
)
となしていた。兵を具し、陣は張ったものの、これは一時の
擬態
(
ぎたい
)
だった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その花房助兵衛をもって、戸川肥後守を説かせ、四老のうち、二人までは、まず秀吉
加担
(
かたん
)
に傾いたところで、官兵衛は直接、宇喜多直家に会って
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すぐ隣村の豪族は毛利
加担
(
かたん
)
か織田の味方か、またわずか河一つ
隔
(
へだ
)
てた小城の性格でも、いったいその
何
(
いず
)
れに組みそうとしている肚なのか、ほとんど
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紀州
根来衆
(
ねごろしゅう
)
、北越の
佐々
(
さっさ
)
、関東一円も当方に
加担
(
かたん
)
呼応あるべく、織田
有縁
(
うえん
)
の諸侯、池田、
蒲生
(
がもう
)
などの参加も疑いない。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「上杉家へは、べつに大坂表から、すぐ密使をやって、お
汝
(
こと
)
らへ、
加担
(
かたん
)
するように申しておく。その辺も、心配すな」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——奥州
平泉
(
ひらいずみ
)
の豪族が、
奢
(
おご
)
り振舞う平氏の世を憎んで、やがて源家へ
加担
(
かたん
)
の下地でなくて何であろう。これは、世の中が、ちと面白くなりそうだの」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はて、事難しゅうなって来たの。では、他日尊氏どのが東上のさい、時を期して、この正成に、宮方を裏切って足利方へ
加担
(
かたん
)
せいとの、おすすめか」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すなわち勝入父子が、
去就
(
きょしゅう
)
一決と同時に、木曾川第一の要地を占領して、秀吉へ
加担
(
かたん
)
の
引出物
(
ひきでもの
)
とした快報であった。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも、五人の
偽菩薩
(
にせぼさつ
)
の顔色をジロリと見ると、もし自分が
石見守
(
いわみのかみ
)
に
加担
(
かたん
)
して、いな、と一
言
(
ごん
)
に
突
(
つ
)
ッぱねれば、どういう
手段
(
しゅだん
)
にもうったえかねない
底意
(
そこい
)
がよめる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(どうだ、寝返って、羽柴筑前どのに、
加担
(
かたん
)
しないか。
衆目
(
しゅうもく
)
の見るところ、十指のたとえ。秀吉公の将来と、信雄卿の将来とでは、比較にならぬ。いまが、考えどきだぞよ)
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
浅井の旧臣
阿閉
(
あべ
)
淡路守の浪人兵で、おそらく光秀に
加担
(
かたん
)
してのことだろうと思われまする。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『それや、親父のほうがいかんわ。わしは三太夫殿に
加担
(
かたん
)
する、連れて行ってやんなさい』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分に
加担
(
かたん
)
しろ、信長とはそんな人なのだ——と度々
口説
(
くど
)
きおったが、自分として彼らの
詭弁
(
きべん
)
と一笑に附しても正直、かくまでの事情とも御存じなく、お疑いをかけられるとは
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神戸信孝
(
かんべのぶたか
)
の手からは、
蒲生氏郷
(
がもううじさと
)
を説かせ、丹羽長秀へ
加担
(
かたん
)
の申し入れ、また、勝家自身としても、遠く東海の徳川家康へ音信して、それとなく家康の意中を打診してみるよう、昨今
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、藤左衛門は、
臍
(
ほぞ
)
に
誓
(
ちか
)
った。血を見たら、衆は衆を呼ぶだろうし、駅路の規定にも触れ、吉良方に
加担
(
かたん
)
の役人でも出たら
猶更
(
なおさら
)
の事だ。遅れた上にも、
日数
(
ひかず
)
に暇どってしまうだろう。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
分ったが、それは断り手紙ではないか。蜂須賀の一族は、先代以来、斎藤家とは切っても切れぬ旧縁のある間がら——織田に
加担
(
かたん
)
は義において出来ぬと、明白に断りの書いてあるものを
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
情熱的な
加担
(
かたん
)
を示して、北陸一帯の反秀吉気勢を一手にひきうけていた佐々成政の
潰滅
(
かいめつ
)
をも、じっと坐視しているに至っては、血の気の多い三河武士が、黙っていられないのも無理はない。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、
秀吉
(
ひでよし
)
と
覇
(
は
)
をあらそううえにも、つねに
背後
(
はいご
)
の気がかりになる
伊那丸君
(
いなまるぎみ
)
やそれに
加担
(
かたん
)
のものを、どんな
犠牲
(
ぎせい
)
を
払
(
はら
)
っても、
根絶
(
ねだ
)
やしにしなければならぬと、ひそかに
支度
(
したく
)
をしつつあるのだから
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
織田家へ
加担
(
かたん
)
を見せてくださるお心はありませんか
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
氏真
(
うじざね
)
に
拠
(
よ
)
って、今川
加担
(
かたん
)
をつづけてゆくか。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
従来どおり今川家に
加担
(
かたん
)
で通すか。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“加担”の意味
《名詞》
「荷担」の別表記。
(出典:Wiktionary)
加
常用漢字
小4
部首:⼒
5画
担
常用漢字
小6
部首:⼿
8画
“加担”で始まる語句
加担人
加担者