切拔きりぬ)” の例文
新字:切抜
ところを、からうじて切拔きりぬけると、三島樣みしまさま曲角まがりかどで、またはじめて、入谷いのや大池おほいけみぎに、ぐつとくらくなるあたりから、次第しだいすごつたものだ——とく。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れよと即坐そくざはさみりて女子おなごづれは切拔きりぬきにかゝる、をとこは三五らうなか仁和賀にわかのさらひ、北廓ほくくわく全盛ぜんせいわたせば、のき提燈ちようちん電氣燈でんきとう、いつもにぎはふ五てうまち、と諸聲もろごゑをかしくはやしつるに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……あらためてふまでもないが、車賃くるまちんなしの兵兒帶へこおびでも、つじちまたさかまをすまでもないこと待俥まちぐるまの、旦那だんな御都合ごつがふで、を切拔きりぬけるのが、てくの大苦勞だいくらうで。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「こいつをらく切拔きりぬけないぢや東京とうきやうめないよ。」と、よく下宿げしゆく先輩せんぱいつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)