“切拔(きりぬ)” の例文
新字:切抜
處(ところ)を、辛(から)うじて切拔(きりぬ)けると、三島樣(みしまさま)の曲角(まがりかど)で、又(また)はじめて、入谷(いのや)の大池(おほいけ)を右(みぎ)に、ぐつと暗(くら)くなるあたりから、次第(しだい)に凄(すご)く成(な)つたものだ——と聞(き)く。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
夫(そ)れよと即坐(そくざ)に鋏(はさみ)を借(か)りて女子(おなご)づれは切拔(きりぬ)きにかゝる、男(をとこ)は三五郎(らう)を中(なか)に仁和賀(にわか)のさらひ、北廓(ほくくわく)全盛(ぜんせい)見(み)わたせば、軒(のき)は提燈(ちようちん)電氣燈(でんきとう)、いつも賑(にぎは)ふ五丁(てう)町(まち)、と諸聲(もろごゑ)をかしくはやし立(た)つるに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……更(あらた)めて言(い)ふまでもないが、車賃(くるまちん)なしの兵兒帶(へこおび)でも、辻(つじ)、巷(ちまた)の盛(さか)り場(ば)は申(まを)すまでもない事(こと)、待俥(まちぐるま)の、旦那(だんな)御都合(ごつがふ)で、を切拔(きりぬ)けるのが、てくの身(み)に取(と)り大苦勞(だいくらう)で。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「こいつを樂(らく)に切拔(きりぬ)けないぢや東京(とうきやう)に住(す)めないよ。」と、よく下宿(げしゆく)の先輩(せんぱい)が然(さ)う言(い)つた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)