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いであそ
あゝ
何も
御存じなしに
彼のやうに
喜んでお
出遊ばす
物を、
何の
顏さげて
離縁状もらふて
下されと
言はれた
物か、
叱かられるは
必定
何でも
耶路撒冷は
遠い
処だ、さうして
主の
君は、われわれのごとく
傍にお
出遊ばすのだ。
衆は
耶路撒冷まで
往かれまい。
耶路撒冷が
衆のとこへ
来るだらう。
丁度自分にも
来るやうに。
私やお
前のやうなおつと來いならば
事は
無いけれど、
不斷つゝしんでお
出遊ばすだけ
身にしみる
事も
深からう
されども
是れぞの
跡もなく、
唯うか/\と
物おもふらしく
或時はしみ/″\と
泣いて、お
前樣いつまで
是れだけの
月給取つてお
出遊ばすお
心ぞ、お
向ふ
邸の
旦那さまは
あり/\
隱してお
出遊ばすのは
見えすいて
居りますし、さあ
私の
心はたまりません、
一つを
疑ひ
出すと
十も
二十も
疑はしくなつて、
朝夕旦暮あれ
又あんな
嘘と
思ふやうになり
其やうに
仰せ
下さりましても
私にはお
返事の
致しやうが
御座りませぬと
言ひ
出づるに、
何をと
母が
顏を
出せば、あ、
植村さん、
植村さん、
何處へお
出遊ばすのと
岸破と
起きて